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中田功-岡崎戦(2013.12.10)を、中田功-村中戦(2013.10.5)や他の対局と比較しな
がら、コーヤン流について考察してみたいと思います。

第1図、第2図はそれぞれ30手ほど進んだ局面です。居飛車は、どちらも4四歩型の
居飛穴に組んでいます。

CapD20131222.png

コーヤン流への有力な対策としては、勝又六段の『最新戦法の話』に、右銀の動き
を保留して、早めに引き角にする
指し方が解説されています。

しかし、中田功先生も改良を重ねており、参考1図(瀬川戦2012.11)や、参考2図
(佐々木勇戦2013.8)の進行は、三間飛車が悪くないと思います。直近、4四歩型
の居飛穴が続いたのは、そんな事情があるのでしょう。

CapD20131222_1.png

第1図・第2図からの、次の一手に、中田先生の工夫を感じます。2局とも、▲2七
と上がっています。

『コーヤン流三間飛車の極意 持久戦編』では、4四歩型に対して、高美濃から▲3
七桂と跳ねて4五の位を取りに行く指し方が解説されています。

それに対して、居飛車の有力な対策となっているのが、参考3図(中田功-川上戦 
2013.2)から△4二銀と引く手です。以下、▲2五桂 △2四角 ▲6五歩 △3一銀
(参考4図)と松尾流穴熊に組んで、後手十分です。この形の実戦例は何局かあり、
先手はそれでも端を狙いますが、上手くいっていない印象です。

CapD20131222_2.png

第1図・第2図からは、上のような進行を避けて、下図のようになりました。端歩の突
き合いを除けば同一局面です。

コーヤン流の特徴と言えば、玉の位置が3九です。その理由は、早めに攻撃態勢を
作れる、△7三角に転換された時に当たりを避けている、端攻めをした時に1七から
逆襲されるのを緩和しているなどがあげられます。

銀冠の場合は4九に金がいないので、不安な感じもします。銀冠+3九玉型は、昨年
度も見られましたが、今回は▲4七金と上がる手も保留して、左の金を5八のままに
しています。

CapD20131222_3.png

第3図からは△8四角、第4図からは△4二銀と進み、全く違う展開になりました。

中田功-岡崎戦では、地下鉄飛車にして端攻めをしました。7七角のラインではなく、
8六角からの睨みを利用して、鮮やかに寄せ切りました。

中田-村中戦は、こんな形で攻められたら悪そうなのですが、巧みに受け、反撃して
快勝しています。

CapD20131222_4.png

第7図と第8図が、この2局の投了図です。中田功-岡崎戦は、銀冠が残ったままで
す。中田功-村中戦は、ここから△4八金と絡んでも、後手玉には即詰みがあります。

居飛穴に対して、こんな風に勝てたら痛快でしょう。しかし、銀冠に組み、玉を3九で
待機して間合いを図るという指し方は、中田功先生だからこそできるのでしょう。素人
には、なかなか真似ができないと思います。

CapD20131222_5.png



中田功-村中戦(2013.10)の棋譜

佐々木-中田功戦(2012.8)の棋譜

中田功-瀬川戦(2012.11)の棋譜

中田功-川上戦(2013.2)の棋譜


参考文献及
『コーヤン流三間飛車の極意 持久戦編』 中田功著 毎日コミュニケーションズ
『最新戦法の話』 勝又清和著 浅川書房

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2013.12.22 / Top↑
12月10日に行われた順位戦C級2組7回戦では、三間飛車の対局が6局あり、下のよ
うな結果でした。

対抗形
上村-矢倉戦 居飛穴対ノーマル三間飛車 袖飛車転換型 矢倉六段の勝ち
中田功-岡崎戦 ノーマル三間飛車対居飛穴 コーヤン流 中田功七段の勝ち
竹内-及川戦 石田流本組み対銀冠~穴熊 及川五段の勝ち

相振り飛車
中村亮-小倉戦 三間飛車対向い飛車 中村亮五段の勝ち
伊藤-佐藤紳戦 中飛車対三間飛車 佐藤紳六段の勝ち
田中悠-神崎戦 三間~四間飛車対三間飛車 後手5四金型 田中悠四段の勝ち


上村-矢倉戦より

矢倉六段は、今期順位戦7回のうち6局でノーマル三間飛車を採用しており、すっか
り三間飛車党になられたかのようです。しかも5勝と素晴らしい成績を残しています。

矢倉先生といえば、△6四銀と出て、四間飛車に振り直す矢倉流が有名ですが、そ
の他にも、相穴熊、玉頭銀、石田流組換えなど様々な作戦を披露されています。

本局では、22手目に△7三銀(第1図)と上がりました。昨年のNHK杯戦で、門倉四
段が指した2枚の銀を並べての玉頭銀を思い出します。矢倉六段は、△8四銀と出
て歩を突き捨てて、△7二飛(第2図)と袖飛車にしました。

CapD20131214.png

第3図の△9五歩が鋭い手です。▲同歩 △9七歩 ▲同香に△9三桂と援軍を送り、
調子よく攻めが続きます。上村四段も袖飛車にして、手薄な角頭を狙いにいきました。

しかし、何か誤算があったのかもしれません。第4図までで、投了となりました。早
いですが、プロ的には既に終わっているのでしょう。

CapD20131214_1.png




田中悠-神崎戦より

田中悠-神崎戦では、神崎七段が石田流に対して面白い指し方を見せてくれました。
居玉のままで5五の位を取り、4一の金が5四まで動いています。(第5図)神崎七段
は、金銀を盛り上げていくのが得意なのだそうです。

先手は四間飛車に振り直し、後手は三間飛車にして、相振り飛車になりました。後手
の囲いは、小林健九段が中飛車対三間飛車で時々する構えに似ています。

第6図からは▲5八飛と動いて、中央での戦いになりました。結果は、田中悠四段が
勝利しました。

中田功七段の対局についても、改めて紹介する予定です。

CapD20131214_2.png




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2013.12.14 / Top↑
△4四銀に▲5六角の検討

渡辺-久保戦(2013.11)では、28手目に△4四銀と出ました。これに対して、渡辺二冠
△5六角(第1図)と打ちました。前回も出ましたが、升石には難敵の角打ちです。

第1図以下の指し手
△3三飛 ▲6六歩(第2図)

▲1六歩が突いてなければ△1四飛と逃げられます。しかし、この場合は△3三飛しか
ありません。△5五銀に角の引き場所を作る▲6六歩も当然の手です。

CapD20131201.png

第2図以下の指し手
△5五銀 ▲6七角(第3図)

実戦は第2図から△5五銀と出ました。ここでは△5四歩も有力なので後述します。

第3図では、本譜の①△5四歩の他に、②△8四角や、③△4四歩、△6四銀も考え
られます。

第3図から②△8四角と③△4四歩の変化

△8四角は指してみたい手です。これには▲6五歩(変化1図)がぴったりの手で、後
手の指す手が難しいです。

CapD20131201_1.png

△6六銀は、▲同銀 △同角 ▲7七桂(変化2図)で、飛車と角の処置に困ります。
変化1図では、△7四歩も考えられますが、▲2四歩~▲7四飛と回る手が成立しそ
うです。

第3図で③△4四歩にも、▲6五歩がありそうですが、これには△5四角(変化A図)
と打っていい勝負ではないかと思います。▲5六歩なら△6五角があります。

CapD20131201_2.png

第3図以下の指し手
△5四歩 ▲2四歩 △同歩 ▲同飛 △2三歩 ▲5四飛(第4図)

実戦の進行に戻ります。△2三歩に無難に指すなら▲2八飛で、以下▲1七桂~▲2
五桂
を狙うのも有力でしょう。しかし、渡辺二冠は30分以上考えて▲5四飛と踏み込み
ました。

第4図以下の指し手
△6四銀 ▲3八金 △7二角(第5図)

△6四銀には▲6五歩が厳しそうですが、△2七角と打ち、▲4五歩または▲3六歩に
△4九角成り ▲同角 △6五銀 ▲5三飛成り △5四金(変化3図)で飛車を殺す手
があります。

CapD20131201_3.png

▲3八金が落ち着いた手で、△2七角を消しています。数手進んで第6図となりまし
た。後手の飛車は、3四に戻れました。しかし、一歩損が気になります。少し後手が
面白くないのではと思います。

CapD20131201_4.png

第2図から△5四歩の変化

戻って第2図では、先に△5四歩(変化4図)と突いておくのも有力です。以下、▲2
四歩 △同歩 ▲同飛 △2三歩 ▲2八飛に、①△5三銀と②△5五銀が考えられ
ます。

①△5三銀は、以下▲5八金右に△4四歩(変化5図)と突き、△4四飛や△6四銀
(6二銀)~△5三飛として、飛車を活用するのが狙いです。②△5五銀は▲6七角
で、本譜と似た形になります。

CapD20131201_5.png



参考サイト
・名人戦棋譜速報

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2013.12.01 / Top↑
最近、久保九段が、順位戦で後手番の升田式石田流(角交換型石田流)を2局指し
ています。深浦戦(第1図)では、7手目▲6八玉に対して△4二金と上がってから升
石に。渡辺戦(第2図)では、4→3戦法からの升石になりました。

ボナ囲い+4九金・1六歩型

第1図と第2図は、9筋の突き合いを除けば、全く同じ形です。先手は、ボナンザ囲
いと呼ばれる囲いで、4九金型で1六歩を突いています。トップクラスの棋士が同じ
形を採用したわけですが、後手番の升田式石田流に対する最新の対策と言ってよ
いでしょう。

CapD20131123.png

『振り飛車4→3戦法』では、参考図の形が解説されています。第1図と第2図は、▲3
八金の代わりに▲1六歩と指しており、この方が価値の高い手と考えているわけです。

▲1六歩に△1四歩と突き合えば、将来▲5六角と絡めて、▲1五歩と突いて▲1二歩
を狙う筋が生じます。また、▲3八金を保留することで、△2四歩からの飛車交換に対
して、飛車を打ち込まれにくい陣形にしています。

CapD20131123_1.png

深浦-久保戦(2013.9)の検討

検討の前に、先手の升田式石田流との比較をしておきます。参考2図は、『久保の石
田流』に載っている形です。第1図と比べて、後手は△3三銀と△9四歩が入ってい
ません。

『久保の石田流』では、参考2図から▲8六歩と突く手が解説されています。これを△同
歩と取ってくれれば▲同飛で、①△同飛 ▲同銀 △6九角は▲9六角、②△8五歩は
▲8八飛で、先手が指せるという見解です。居飛車の最善は、▲8六歩に△7二銀と指
す手で、以下▲8五歩 △同飛に▲8六飛とぶつけるのは無理筋としています。

しかし、久保九段は第1図から△2四歩と指しました。これは、▲3八銀と引かれて大変
なはずです。陣形を見ると、参考2図よりも条件が悪いです。何か秘策があったのでし
ょうか。

推測するしかないのですが、▲3八銀 △2五歩 ▲同飛に、①△2四銀または、②△2
三歩は考えられます。①△2四銀は1歩を持とうという手ですが、銀を働かせるのが難
しそうです。②△2三歩は、以下▲2八飛に△2四飛とぶつける手を狙います。

CapD20131123_2.png

第1図以下の指し手
△2四歩 ▲5六角 △4四飛 ▲1五歩(第3図)

深浦九段は、▲3八銀とは指しませんでした。▲5六角と打ち、△4四飛に▲1五歩
(第3図)と伸ばしました。これは、1六歩型を活かした手です。△4四飛と逃げたの
は、他の場所だと▲3六歩から▲3七桂と活用される手があるからです。

第3図以下の指し手
△2五歩 ▲同飛 △2四飛(第4図)

久保九段は約1時間考えて△2五歩と指しました。▲同飛に△2三歩は、▲同角成り
と切られて悪そうです。

CapD20131123_3.png

第4図以下の指し手
▲同飛 △同銀 ▲1四歩(第5図)

△2四飛に飛車をぶつけましたが、じっくり指すなら△2四銀もあったと思います。▲
1四歩のところでは、▲4一飛、▲4一角、▲3八銀、▲5八銀なども考えられます。
どの手も有力ですが、△1五歩の顔を立てて、▲1四歩が厳しい手です。

第5図以下の指し手
△2六飛 ▲3八銀 △2七歩 ▲4一飛(第6図)

△同歩は▲1二歩で後手悪いので、△2六飛と指しました。▲3八銀では▲5八銀も
ありそうです。しかし△1四歩と取られると、以下▲1二歩 △同香 ▲同角成りには
▲2九飛成りで、難しくなります。

△2七歩は重いですが、これくらいしかなさそうです。続く▲4一飛に△2八歩成りは、
▲2一飛成り △4二金に▲7五桂が受け難いです。第6図以下、△3三銀 ▲2三歩
と進みましたが、先手が良いでしょう。

実戦は久保九段が勝利しましたが、第1図から△2四歩は、少し無理だと思います。

CapD20131123_4.png



参考文献及びサイト
・『振り飛車4→3戦法』 戸辺六段著 マイナビ
・『久保の石田流』 久保九段著 日本将棋連盟
・名人戦棋譜速報

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2013.11.23 / Top↑
12日に行われた順位戦C級2組6回戦では、三間飛車対居飛車の対抗形が6局、相
振り飛車での三間飛車が2局指されました。詳しく見ると、下のような形でした。中田
功七段は中飛車でした。

対抗形
石川七段-横山六段  立石流  後手勝ち
澤田五段-竹内四段  4→3戦法  先手勝ち
佐々木四段-伊藤五段  後手石田流  先手勝ち
佐藤慎四段-西川和四段  後手石田流  先手勝ち
矢倉六段-藤原七段  向い飛車転換対居飛穴  先手勝ち
遠山五段-上村四段  石田流~向い飛車転換  先手勝ち

相振り飛車
田中四段-八代四段  相振り飛車 三間対5三銀型三間  先手勝ち
門倉四段-小倉七段  相振り飛車 三間対向い飛車  後手勝ち

佐々木四段-伊藤五段の対局は、4二金型の後手石田でしたが、4→3戦法からの升
田式石田流と同形になっています。13日の渡辺竜王-久保九段戦や24高段者の将棋
を見ても、後手の4→3戦法が苦戦している印象を持ちます。


それでは、何局か簡単に紹介します。

佐藤慎四段-西川和四段戦は、後手が4手目に△3五歩と伸ばして、▲6八玉 △2
二角成り △同銀 ▲6五角から例の乱戦になりました。

20手目は、後手が△7四歩(第1図)と指しました。先手が石田流での形を、このブロ
グで研究していますが、居飛車が先手なので2六歩が突いてあります。この場合は中
飛車にするのではなく、▲2五歩と伸ばしていくことが多いです。

少し進んで第2図となりました。棋譜中継サイトのコメントにありましたが、この局面
だけを見れば横歩取りと勘違いしそうです。48手目の△6三角がどうだったでしょうか。
以後、苦しい将棋になったように思います。


CapD20131116.png




遠山五段-上村四段戦は、遠山五段の升田式石田流模様の序盤でした。(第3図)
以前は、居飛車の14手目は、△6四歩か△9四歩でしたが、現在では△8四飛と浮く
のが主流となっています。

ここから△8八角成り ▲同銀 △2二銀に▲7八金が普通の進行です。しかし、△
2二銀に▲7八飛!と引き、数手進んで第4図となりました。早い△8四飛を咎めに
行く遠山五段の新構想でした。

ここから駆け引きが続いて、37手目に▲8六歩と突きました。プロの対局ですから、
単純に飛車先を逆襲できるということはなく、難しい将棋が続きましたが、遠山五段
が押し切りました。

CapD20131116_1.png




矢倉六段-藤原七段戦は、ノーマル三間対居飛穴になりました。21手目に矢倉六段
が▲8八飛と向い飛車に振りなおして、▲7八金(第5図)から▲8六歩の仕掛けを見
せます。

第5図から、△2四角の覗きに対して▲5八銀と引くのは仕方がないところです。次の
△5四歩に▲8六歩と仕掛けた実戦例もありますが、矢倉六段は▲6七金と上がりま
した。ここから数手進んだのが第6図です。なんと7八の金が4五まで出て行きまし
た。居飛穴に対して金を繰り出して一歩を取りに行くという手は、ちょっと指せないで
すね。

以下、まとめるのが大変そうですが、61手目の▲4六角で面白くなったと思います。
5五にも角を打って、角の睨みで居飛穴を退治した一局でした。

CapD20131116_2.png



参考サイト 名人戦棋譜中継

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2013.11.16 / Top↑

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