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いよいよ第2回電脳戦が明日から始まります。この企画は非常に興味があり、楽しみ
にしています。

先週行われた記者会見での塚田九段や三浦八段の発言を見ますと、短い時間の勝
負では既にソフトがプロを超えているような感じがします。これが持ち時間4時間の
対局だとどうなるかはよくわかりません。

私の予想は、2勝2敗1分けです。人間が勝つ可能性が1番高いのは明日の対局でし
ょう。もし阿部光瑠四段が負けてしまったら、人類の全敗まであると思います。

明日の対局は相居飛車となりそうですが、居飛車党の先生ばかりなので、ソフトが三
間に振るような対局を、ぜひ見てみたいです。



さて、将棋世界3月号の『<新>イメージと読みの将棋観』では、広瀬七段が中飛車
左穴熊に対して、『▲6七銀~▲4六銀型に組んで、5四の飛車を狙いにいきたい。』
とコメントされていました。手持ちの棋譜を調べてみたら、参考になる局があったの
で紹介したいと思います。

第1図以下の指し手
▲3六歩 △2二玉 ▲3七銀 △3二金 ▲4六銀(第2図)

少し前の対局からですが、先手の方は現在プロで活躍されているS五段だと推測しま
す。

▲3六歩と突いて、▲3七銀~▲4六銀と銀を進出させていきました。『<新>イメー
ジと読みの将棋観』によると、5四の飛車はあまり良い位置ではないという意見が多
かったです。▲4六銀はその飛車や角を狙っています。

CapD20130322.png

第2図以下の指し手
△1二香 ▲4八玉 △1一玉 ▲3八玉 △2二銀 ▲4八金(第3図)

後手が穴熊にしたのに対して、先手は玉の囲いを簡単に済ませました。

第3図以下の指し手
△5一金 ▲7八金 △6二銀 ▲8六飛(第4図)

先手はバランスを取って7八金型にしましたが、ここは▲5八金左も有力だと思いま
す。後手の△6二銀は疑問手でした。▲8六飛が機敏な動きです。

CapD20130322_1.png

△6二銀のところで△4一金なら、▲8六飛 △7二銀 ▲1六歩 △3一金寄 ▲6五
歩(参考図)が進行の一例です。以下、▲4五銀を狙っていけば先手が良いでしょう。

第4図以下の指し手
△8四歩 ▲4五銀 △6四飛 ▲6五歩(第5図)

△8四歩に▲4五銀~▲6五歩が厳しい手順です。△同飛と取るしかありませんが、
▲8四飛で飛車成りが受かりません。

△8四歩では△8四飛とぶつける手も考えられ、▲同飛 △同歩 ▲8二飛が想定さ
れます。飛車の打ち込みには気を使う形ですが、先手が少し指せると思います。

CapD20130322_2.png



参考文献 将棋世界2013年3月号 

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2013.03.22 / Top↑
杉本七段の『相振りレボリューション』には、後手が三間飛車(4四歩と角道を止めな
い形)で、先手の中飛車左穴熊に対する指し方が解説されています。そこでは、4四
銀型
に組むことが1番の急所だと書かれています。参考A図が成功例で、△3六歩
に▲同歩は△4五銀があります。

CapD20130317.png

先手三間飛車対中飛車左穴熊では、4手目に▲6六歩と指しているので同じ形にはで
きません。それでも▲6五歩と突いて6六銀型にすることができます。

この場合には参考A図のような攻めはできないので、高美濃から▲4六金と盛り上げ
て中央を狙う
指し方が面白いです。


実戦例1

第1図以下の指し手
△8三銀 ▲4五歩 △2四歩 ▲4六金(第2図)

第1図は、先手が▲8六飛と寄り、△7二銀と受けさせた形から進んだ局面です。▲7七
桂とは跳ねずに角の利きを中央に通しておくことがポイントです。

高美濃に組んでから▲6六銀と指すのが手順です。▲4七金と上がる前に▲6六銀では、
△5六歩から狙っている歩を交換されてしまいます。

次に▲4五歩~▲4六金と盛り上がっていきます。中央の勢力は3対2となり、先手が上
回りました。こうなると△5四飛と浮いた形が逆に負担になっています。

CapD20130317_1.png

第2図以下の指し手
△5一飛 ▲5五銀 △7四歩 ▲同歩 △7一飛(第3図)

第2図は既に先手が作戦勝ちでしょう。

5筋は受からないので、後手は△5一飛と引き、△7一飛から7筋を攻めてきました。

第3図以下の指し手
▲6四歩 △7四飛 ▲6三歩成 △3五歩 ▲4四歩 △3六歩 
▲同金 △4四歩 ▲5三と △7三桂 ▲4三歩(第4図)

第3図は先手が大優勢で、普通に▲4四歩と攻めても良さそうです。先手はと金を作り、
▲4三歩と垂らして勝負あった感じです。

CapD20130317_5.png


実戦例2

第5図は、私の実戦からです。後手が先に△8四飛と寄り、▲8六歩と受けた形の例で
す。この場合は、後手が右銀を△5三銀~△4四銀と進めていくのが普通です。

それに対して△4四銀と指される前に▲4六金と上がって、中央を取りにいくのが作戦
でした。最短手数で仕掛けたかったので▲3九玉で済ましていますが、ここはもう一手
▲2八玉と指しておくべきだったと思います。

第5図以下の指し手
△6二銀 ▲4五歩 △5三銀 ▲4六金 △2四角(第6図)

実戦例1と同じように、▲4六金と盛り上がっていきました。今度は△2四歩と突いて
ないので、△2四角と金取りに出てきました。

CapD20130317_3.png

第6図以下の指し手
▲5五銀 △同飛 ▲同角 △5四銀 ▲2二角成 △同金(第7図)

▲4七銀と守るのは玉が薄くなって面白くありません。ここは▲5五銀と出るのがぴ
ったりの手です。後手は△同飛と勝負するしかなさそうです。こちらも、△5四銀には
角を切っていきました。

第7図以下の指し手
▲7七桂 △6七角 ▲5六飛 △同角成 ▲同金 △7九飛 
▲2八玉 △9九飛成 ▲6六角(第8図)

第7図は、穴熊を金一枚にして、こちらが少し良いかと思いましたが、指す手が難し
いです。飛車を打ち込めそうな場所がないので、△6五銀を防いで▲7七桂と指しま
した。△6七角に▲6六飛では、△4九角成り~△5五銀が厳しいです。

実戦は、第8図以下、△5五香 ▲3一飛と進んで勝つことができましたが、△9九飛
成のところで△3三角と指されたら難しかったようです。


以上、先手がうまくいった例を2つ紹介しました。守りの金を盛り上げていくこの指し方
は玉が薄くなるので、カウンターを食らうと一気に負けになってしまう可能性もあります。
力がないと指しこなすのは難しいかもしれませんが、中飛車左穴熊に対する有力な作
戦だと思います。

CapD20130317_4.png



参考文献 『相振りレボリューション』 杉本昌隆著 マイナビ

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2013.03.17 / Top↑
後手4二角型 後手の成功例

第1図は、お互いに囲い合い、後手が4二角型から△7四歩と仕掛けたところです。
後手は8筋を交換して一歩を手持ちにしています。石田流本組みにした場合、この筋
には注意しなければなりません。

第1図以下の指し手
▲同歩 △9七角成り ▲同香 △8七角(第2図)

実戦は▲同歩と取りました。角交換から△8七角と打ち込まれては、先手が苦しいで
しょう。第1図では▲6六銀の方がよさそうです。しかし、△7五歩 ▲同銀に△7四歩
が好手で、やはり先手が困ります。

CapD20130310.png


後手4二角型 先手の積極策

第3図は、後手の陣形に隙があるように見えます。この瞬間に、先手から▲7四歩と仕
掛けました。第1図のように穴熊にがっちり組まれる前に、先手から動いていく手は成
立するでしょうか。

第3図以下の指し手
△9七角成 ▲同香 △7四歩 ▲6四歩 △同飛 ▲8三角(第4図)

▲7四歩と仕掛ければ角交換は必至となります。△7四歩で△7四飛と取るのは、▲同
飛 △同歩に▲6四歩で先手が指せるでしょう。先手が角を打つ場所は、8二と8三が
ありますが、▲6四歩を入れてから▲8三角と打ちました。

CapD20130310_1.png


第4図以下の指し手
△5一金右 ▲7四角成 △9八角 ▲6四馬 △同歩 ▲7二飛成(第5図)

▲7四角成に△9八角は当然の反発で、飛車角総交換となりました。飛車が成りこん
で、先手が調子よさそうですが・・・

第5図以下の指し手
△5四角成 ▲6三歩 △同馬 ▲同龍 △同銀 ▲4五角 △5四角
▲同角 △同銀 ▲7一飛(第6図)

▲7二飛成には△5四角成がぴったりの受けです。このまま馬に居座られたら先手大
変なので、▲6三歩と打って龍と馬を交換しました。銀の位置を悪くしてから、▲7一
飛と打つのも好手順です。

第6図は僅差だと思いますが、穴熊が未完成で、桂・香を拾える先手が少しよさそう
です。

CapD20130310_2.png




△8四飛と寄らせない指し方

この戦形では、どちらが先に飛車を寄るのかがポイントになることがよくあります。
将棋倶楽部24強豪の方が、後手に△8四飛と寄らせない指し方をしていたので紹介し
ます。

第7図のように7八銀型の構えにすれば、後手からの△8四飛はなくなります。△5六
歩には、▲同歩 △同飛 ▲5八金左で問題なく、後手は穴熊に囲うのには気を使う
展開となります。

第7図からタイミングを見て▲8六飛(第8図)と寄り、△8四歩や△7二金と指させて
から▲6七銀と上がれば先手ペースだと思います。

CapD20130310_3.png


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2013.03.10 / Top↑
戸辺-今泉戦では、21手目に先手が▲8六飛と寄りましたが、後手が先に△8四飛
(変化A図)と動いてくる手も考えられます。この手の狙いは、先手から▲8六飛の
筋をなくして、右の金・銀を攻めや囲いに使うことにあります。

類似の局面で、後手から△8四飛と寄った時のデータ(24高段者)を調べてみると、
下図のような結果でした。△8四飛は気持ちのよさそうな手です。しかし、いずれ△
5四飛と戻すので2手損になります。先手が6割近く勝っており、実戦的には手損の
影響が大きいのかもしれません。

CapD20130223.png

次の手は、ほとんど▲8六歩となっています。▲8六角は、▲9七角と上がっている時
の受け方です。

変化A図で▲8六飛とぶつけるのは、△同飛 ▲同歩 △3二銀が考えられ、ここで▲
5三飛と打ちたいところですが、△8七飛 ▲7七銀 △8八飛成り ▲同銀 △4五
角(変化B図)で先手失敗です。

CapD20130223_1.png

▲8六歩と突かされた形から先手がどのように指していったらよいのかを考えてみま
す。

先手は、(1) 石田流本組みの形(9七角型)にして、左辺の捌きを狙う指し方と、(2)
八角の利きを通したまま(8八角型・7七角型)、中央で戦う
指し方が有力だと思いま
す。今回は、石田流本組みで戦う形について検討します。


実戦例 1

第1図以下の指し手
▲7四歩 △同歩 ▲8四歩 △同歩 ▲6四歩(第2図)

第1図は、後手が両方とも端歩を受けているので、まだ穴熊が完成していません。こ
こは仕掛けてみたいところです。

第1図から、▲7四歩 ▲8四歩 ▲6四歩と突き捨てていきます。

△5三銀と上がった時が仕掛けるチャンスです。▲5三角成りがあるので、▲7四歩を
△同飛とは取れません。

CapD20130223_2.png

第2図以下の指し手
△同銀 ▲7四飛 △5六歩 ▲同歩 △同飛 ▲7二飛成 △7六歩(第3図)

▲8四歩を突き捨てた効果で、▲7四飛に△7三歩は▲8四飛と寄れます。

後手も飛車先を交換して、▲7二飛成に△7六歩と反撃してきました。△5六歩は▲同
歩と取らない手もあったと思います。

第3図以下の指し手
▲5七銀 △同飛成 ▲同金 △7七歩成 ▲6三龍(第4図)

▲5七銀に△同飛成は、後手の勝負手ですが、第4図は先手優勢でしょう。

CapD20130223_3.png


実戦例 2

第5図は前例と違って先手は6七銀型です。また、後手は端歩を受けてなく、穴熊が完
成しています。ここで仕掛ける手は成立するでしょうか。

第5図以下の指し手
▲7四歩 △同歩 ▲8四歩 △同歩 ▲6四歩 △同銀 ▲7四飛 △7六歩(第6図)

同じように仕掛けていきました。しかし、▲7四飛に△7六歩が6七銀型の弱点をつい
た返し技です。

CapD20130223_4.png

第6図以下の指し手
▲同飛 △7五歩 ▲8六飛 △5六歩(第7図)

▲同銀は△5六歩でまずいので、▲同飛と取りますが、△7五歩 ▲8六飛に△5六歩
で先手困りました。以下、▲同銀 △7七角成 ▲8四飛の進行は先手悪いでしょう。


仮に第5図で、先手が6八銀型(参考A図)なら仕掛けが成立するか考えてみます。

参考A図以下の指し手
▲7四歩 △同歩 ▲8四歩 △同歩 ▲6四歩 △同銀 ▲7四飛 △5六歩 
▲7二飛成(参考B図)

CapD20130223_5.png

参考B図以下、△7六歩には▲6三龍があり、この進行なら先手も戦えるかもしれま
せん。

しかし、戻って△5六歩のところでは、やはり△7六歩(参考C図)があります。

以下▲同飛 △7五歩 ▲8六飛が想定されますが、先手自信ないでしょう。第5図の
ように穴熊にしっかり組まれてしまうと、仕掛けていくのは大変なようです。

CapD20130223_6.png

 ※実戦例2 棋譜



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2013.02.23 / Top↑
戸辺-今泉戦の続きを見てみます。第1図は後手が△1二香と上がったところです。
ここで戸辺六段が指した▲8六飛(第2図)が機敏な動きで、この戦形でポイントとな
る手です。

CapD20130217.png

第2図で後手がどう受けるかが難しいです。類似の局面を将棋倶楽部24高段者データ
で調べると、下図のような結果でした。

Cap20130217.png

△8四歩と受けるケースが1番多いのですが、先手の勝率が高くなっています。この
時の指し方で有力なのは、

①▲7六銀~▲6五銀として、▲7四歩から8四の歩を狙う。
②▲6五歩と角道を開けて、▲5六歩から角交換を狙う。
③▲6五歩と角道を開けて、6六銀型に組む。
④本組みの形にして左辺の捌きを狙う。

などが考えられます。


△8四歩の実戦例(1)

参考A図は▲7六銀と上がったところです。8四の歩は、飛車の横利きでしか守れてい
ないので、その弱点を突いていきます。ここで△1一玉や△3二金は、▲6五銀 △4
四飛 ▲7四歩で▲8四飛が受かりません。

参考A図からの指し手
△7二金 ▲6五銀 △4四飛(参考B図)

A図からは△7二金が最強の受けで、▲6五銀 △4四飛で参考B図となりました。B図
で▲7四歩は△8三金で難解です。▲5八金左と固めてから▲5六歩を狙えば先手が指
しやすいと思います。

CapD20130217_2.png

△8四歩の実戦例(2)

参考C図は、▲6五銀と出られる手を牽制して△4二角と引いたところです。

参考C図からの指し手
▲5八金左 △2二銀 ▲6五銀 △4四飛 ▲7四歩(参考D図)

▲6五銀に△5二飛は▲8四飛で悪いので、△4四飛と逃げました。角が飛車に当たっ
ていますが、構わずに▲7四歩が強い手です。以下、△8六角 ▲同角に、▲5三角成
りを受けて△5二金と上がりましたが、▲4一角で先手有利です。後手の陣形が3一金
型でも、▲3一角成りと切る手が厳しいです。

CapD20130217_3.png

△7二銀の実戦例

▲8六飛に△7二銀(参考E図)と受けるのも有力です。後手の右銀は△6二銀~△
5三銀と使いたいところですが、この形では△8四歩~△8三銀と活用することが多
いようです。▲7六銀からの攻めは無理気味なので、玉を固め合うのが普通でしょう。

少し進んで参考F図となりました。後手はゆっくりしていると▲6六銀から中央を攻め
られます。

CapD20130217_4.png

参考F図以下の指し手
△7四歩 ▲6六銀 △7五歩 ▲同銀 △7四銀 ▲同銀 △7五歩(参考G図)

穴熊を完成させた後手は、△7四歩から攻めてきました。角の利きがあるので、▲同
歩は△同銀で困ります。

参考G図以下の指し手
▲8六飛 △7四飛 ▲5五角 △7六歩 ▲7五歩 △同飛 ▲8四飛(参考H図)

難しい応酬が続きますが、▲7五歩が好手です。参考H図は、駒が上手く捌けた先手
が有望でしょう。

CapD20130217_5.png

戸辺-今泉戦に戻ります。

本譜は△7二金(第3図)と受けました。右金を囲いに使えなくしたのは大きいです。

第4図がこの将棋の中盤戦ですが、先手の4枚美濃が後手の穴熊より堅く、作戦勝ち
だと思います。

第2図の前に、後手から△8四飛を狙う手については次回検討する予定です。

CapD20130217_6.png




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2013.02.17 / Top↑