上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
isidakihon2.png

目次

プロローグ
第1章 ▲8六歩からの速攻    46ページ
第2章 ▲7四歩からのさばき   52ページ
第3章 待機策の8四飛型     52ページ
第4章 根強い人気の右四間飛車  28ページ
第5章 石田流外しの角交換    51ページ


本書の内容

石田流の基本【早石田と角交換型】は、石田流の基本【本組みと7七角型】の続編に
あたります。前作は角道を止めた石田流についてでしたが、今回は、升田式石田流
の解説が中心となっています。本書でいう早石田は、升田式石田流のことで、鈴木
流や菅井新手、久保流▲7五飛などは取り上げられていません。

升田式石田流をメインにして書かれた本は、私の知る限りでは升田名人の『升田式
石田流』しかありません。石田流の本で、升田式石田流を詳しく解説したものには、
所司七段の『石田流道場』(約70ページ)や高崎五段の『よくわかる石田流』(約60ペ
ージ)などがあります。

本書では升田式石田流について約150ページ書かれており、『升田式石田流』以来の
本格的な定跡書として位置づけられそうです。

升田式石田流は手詰まりになりやすいと言われます。本書では、「歩の上でさばく技
術」がサブテーマになっていて、いろいろな仕掛けや攻め筋が紹介されています。具
体的には、銀交換の手順、パスの技法、飛車の転換、サイドからの▲8五桂ポン、逆
サイドへの攻めなどです。

各章について

第1章 ▲8六歩からの速攻

升田式石田流を指す上での序盤の基礎知識と、7七銀型の▲8六歩から飛車交換を
迫る指し方が解説されています。この辺りはよくある内容ですが、第1図の△3五歩と
突く手は知りませんでした。これは、角交換振り飛車でも流行しています。この手に対
抗する次の一手は、なかなか思いつかない手でした。

CapD20121125_6.png

第2章 ▲7四歩からのさばき

『久保の石田流』や『よくわかる石田流』では、成立すると書かれている第2図の▲7
四歩ではなく、第3図での▲7四歩について書かれています。これは、本書では△6
三銀を早く上がるのは、▲8六歩からの速攻があるので、後回しにしているからです。
『久保の石田流』と『よくわかる石田流』では、簡単に2ページしか解説されていなか
った部分ですが、ここでは約50ページ使っています。

「▲7四歩と突く場合の考え方として、①角がさばけること、②銀の応援が間に合うこ
と。」、「このあとの目標を一言でいえば、6六の銀を6三の銀と交換すること。」など、
指し手を説明するだけではなく、その手の意味や考え方、狙いなどが明快に書かれ
ています。

CapD20121125_2.png

第3章 待機策の8四飛型

最新形の早く△8四飛と浮く形(第4図)についてです。『久保の石田流』では5ページ、
『よくわかる石田流』では14ページの分量でしたが、本書では、ここも約50ページ解
説されています。主に第5図から▲4六角と▲5六歩の変化が中心となっています。こ
れらについては、かなり細かい変化まで解説され、ハイレベルな内容となっています。

CapD20121125_3.png

しかし、菅井-大石戦(2011.7)、菅井-井上戦(2011.9)などでの▲6六飛(第6図)や、
永瀬-村山戦(2011.5)での▲5六歩 △4四歩 ▲5六角(第7図)などは解説されて
いないので、深く研究したい方は自分で調べる必要があるでしょう。

CapD20121125_4.png

第4章 根強い人気の右四間飛車

石田流に普通の右四間で対抗する形が取り上げられています。対右四間の決定版と
書かれてはいますが、特に目新しい指し方はなく、そこまでの内容はないかと思います。
山本流石田封じについては、コラムで軽く触れています。

第5章 石田流外しの角交換

4手目角交換についてです。▲同飛と取る形は、▲3八金と囲い△2八角の打ち込みを
なくす指し方が書かれています。

▲同銀と取る形については、△4二玉に▲6八飛と途中下車して、それから▲7八飛と
三間飛車にして戦う指し方が解説されています。

本書のコンセプトが『乱戦にしない』ということなので、同飛型では▲3八銀と囲う手、同
銀型では最新形の6手目△5四歩については書かれていません。

まとめ

戸部先生の定跡書と言えば、『なんでも三間飛車』や、石田流の基本【本組みと7七角
型】など、評価が非常に高いと思います。それは、よく知られている形だけでなく、最
新研究を惜しみなく、わかりやすく解説しているからでしょう。本書も戸辺ファンの期
待を裏切りません。戸部先生の語り口も一段と軽妙になっており、升田先生の石田流
+2六銀の話や、ココセについてなど面白い話もありました。

升田式石田流の最新形についてという観点から見れば、やや不満な点もあります。
本書では、部分的にはかなり深い所まで検討されているのですが、第6図や第7図な
ど省略されている変化もあります。永瀬-佐藤康戦(2011.6)の▲7七金や、鈴木大-
谷川戦(2012.4)での▲9七銀と上がる指し方などもできれば取り上げて欲しかったと
思います。

本書は、これから升田式石田流を学ぼうという方には、少し難しいかもしれませんが、
中級~高段者まで満足のいく内容となっています。升田式石田流を本格的に勉強し
たい方にはもちろん、公平な立場で書かれていますので、升田式石田流に悩まされ
ている方にも貴重な一冊となることでしょう。


五段階評価

難易度:★★★~★★★★★
内容:★★★★
解説:★★★★★
実用度:★★★

総合:★★★★


1つでも役に立つことがありましたら、クリックしていただければ幸いです。
にほんブログ村 その他趣味ブログ 将棋へ
にほんブログ村

スポンサーサイト
2012.11.25 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://sutekisangen1.blog76.fc2.com/tb.php/255-386a952a

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。