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CapD20121021.png

テーマ図は、石田流本組み対銀冠の戦形です。本組みは組むまでに手数がかかる
ので、後手は左美濃から銀冠にする手が間に合います。

公式戦データでは、テーマ図は先手の3勝5敗(手持ちの24高段者データでは、先手
の6勝9敗)となっています。詳しく調べると、2007年まで先手が5連敗していましたが、
それからは3連勝しています。

最近は後手がテーマ図の8五歩型ではなく8四歩型にして千日手を狙う指し方も見ら
れます。そのあたりの事情を考察してみたいと思います。(テーマ図までの手順や、
詳しい変化は下の解説棋譜をご覧ください。)


1.テーマ図から▲6五歩 △同歩 ▲同銀

テーマ図から▲6五歩と攻めるのは、△同歩 ▲同銀に△6二飛(第1図)と受けるの
が定跡です。以下、▲7四歩 △同銀(△同歩は、▲6四歩で先手有利)に、▲7四銀
または▲6四銀が有力ですが、定跡書では先手が大変とされているようです。


CapD20121021_1.png


しかし、橋本-深浦戦(2011.11)では第1図から▲7四歩と攻めて、先手が勝利してい
ます。

第1図から、
▲7四歩 △同銀 ▲同銀 △同歩 ▲4一銀(第2図)

△同歩に▲7四飛は、△7三銀と受けられると先手が苦しいです。そこで▲4一銀と割
り打ちしました。

第2図から、
△7五銀 ▲6三歩 △同金 ▲7五角 △同歩 ▲同飛(第3図)

△7五銀と打たれて先手失敗に見えます。しかし、▲6三歩と叩いてから角を切るのが
プロらしい手順です。以下、△3一銀に▲7一飛成りとなりました。この進行は先手有
利だと思います。

戸辺六段や高崎五段の本は、この対局の後で発行されているのですが、この▲4一銀
の変化には触れていないのが謎です。何かよくない変化があるのでしょうか。

第2図では、△4二金右と逃げる手も考えられます。以下、▲3二銀成り △同金 ▲
7四飛と進み、今度は△7三銀が利かないので△6九飛成り ▲7二飛成りとなります
が、これは際どい勝負のようです。

また、第3図で△9三角と受ける手があります。▲8五飛 △8二歩と進んだ局面は優
劣不明だと思います。

第2図の△4一銀は、正確に受けられると容易でないのかもしれません。


CapD20121021_3.png


2.テーマ図から▲6五歩 △同歩 ▲同桂

テーマ図から▲6五歩 △同歩に▲同桂(第4図)と取る手もあります。この手は、戸辺
六段の『石田流の基本』で知りましたが、かなり有力だと思います。

第4図以下、
△9九角成り ▲7三桂成り △同桂 ▲7四歩(第5図)

第4図からは△9九角成りがきつそうですが、▲7三桂成り~▲7四歩に期待します。

以下、△7四銀や△7二歩なら先手が指せます。しかし、△9八馬や△7五歩と受け
る手があり簡単ではありません。これは変化が多いので、解説棋譜にまとめてありま
す。

CapD20121021_4.png


3.テーマ図から▲4六歩

テーマ図からは攻めないで▲4六歩も考えられます。これには、△9二飛または△8
四飛がよく指されています。

(1) △9二飛

△9二飛(第6図)は、9七角型の弱点をついています。▲7九角と引くのは▲8二飛
(▲7二飛)とされて千日手を狙われます。なので、第6図では▲8五桂と動いていく
手が多く指されていますが、公式戦データでは先手が4戦全敗と苦戦しています。

第6図から、
▲8五桂 △8二飛 ▲8六歩(第7図)

プロの実戦例は、全て△8二飛に▲8六歩と指しています。


CapD20121021_5.png


第7図から、
△8四飛 ▲8八角 △5四歩 ▲7八飛(第8図)

第8図は、阿部-羽生戦(2006.12)及び屋敷-井上戦(2007.2)の進行です。先手が歩
得なのですが、△5四歩~△5四銀~△4四歩~△4三金と後手に手厚い陣形を作
られやすく、先手が大変なようです。

データからは▲8五桂と跳ねる手はだめなようですが、39手目に▲8六飛(第9図)と
寄る手があります。これは本には出ていない手なのですが、なかなか有力だと思いま
す。

CapD20121021_6.png


第9図からは、①△7四歩、②△4二金右、③△5四歩、④△5四銀などが考えられ
ます。

①△7四歩
△7四歩 ▲7三桂成り △8六飛(第10図)

△7四歩には▲7三桂成りと飛車交換を迫ります。

第10図から、
▲同角 △7三桂 ▲7四歩 △同銀 ▲7一飛(第11図)

▲同角のところでは▲6三成桂と強く指す手も成立している可能性があります。

第11図は先手桂損ですが、飛車を先着しており、陣形も固いので互角以上に戦える
のではないでしょうか。②・③・④も似た変化になります。これも解説棋譜をご覧くだ
さい。

CapD20121021_7.png


(2)△8四飛

▲4六歩に△8四飛と浮き飛車にしてくれば、お互い攻めるのは難しく、持久戦模様と
なります。後手は銀冠穴熊を目指し、先手はダイヤモンド美濃にして▲7九角~▲5七
角と転換させる指し方が見られます。後手陣は固いのですが、先手の形も好形です。
振り飛車が主導権を握る戦いになりやすいようで、公式戦では先手が2勝しています。

テーマ図の後手8五歩型でなく、8四歩型についてはまた取り上げる予定です。


参考文献
・『よくわかる石田流』 高崎一生著 マイナビ
・『石田流の基本』 戸辺誠著 浅川書房

CapD20121021_8.png




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2012.10.21 / Top↑
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