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yokuwakaisida.png

高崎五段の『よくわかる石田流』を購入したので、感想を書いてみたいと思います。
急戦から持久戦まで幅広くカバーしているという点で、『久保の石田流』と似ている
ので、2冊を比較しながら書いてみます。

<目 次>

第1章 石田流対棒金・二枚銀
 石田流対棒金・二枚銀(前編)
 石田流対棒金・二枚銀(後編)

第2章 居飛車持久戦策
 居飛車持久戦策 △5四歩・△5三銀型
 居飛車持久戦策 △6四歩・△6三銀型

第3章 石田流対右四間飛車
 石田流対右四間飛車 急戦編
 石田流対右四間飛車 持久戦編

第4章 升田式石田流
 升田式石田流(序編)
 升田式石田流(本編)
 升田式石田流(早石田)

第5章 対4手目角交換

補足の章



石田流対棒金・二枚銀(前編)

章の名前が石田流対棒金・二枚銀になっていますが、二枚銀からの棒金についてで
はなく、棒金と二枚銀について書かれています。

▲7七桂型の石田流→一目散の棒金には捌けるが、△3三銀と上がる森内新手でう
まくいかない→▲7七桂を保留し、△8三金を見てから▲7八飛と引くのが有力 という
流れは『久保の石田流』と同じです。

単純な棒金ではうまくいかないので、次に、最近の主流になっている二枚銀から△7
二飛とする袖飛車の解説に入ります。高崎-郷田戦(2008.8)がベースになっていま
すが、第1図から実戦で指した▲7七桂は疑問として▲5五歩の変化を取り上げてい
ます。

結局、▲6七金・▲6八銀型では十分に戦えないので、後半では▲7七角型(第2図)
が登場します。本章の難易度は、難易度★★となっているのですが、このあたりは有
段者レベルの内容だと思います。

CapD20120130.png

石田流対棒金・二枚銀(後編

最新形の▲3八銀~▲3九玉、▲5八金を保留して▲6八銀~▲6七銀とする駒組を解
説しています。この駒組のメリットについては、『久保の石田流』よりも詳しく、▲5六銀
と早く出る手や、▲7八金型が書かれています。袖飛車に対する攻防がメインですが、
▲7七角と上がり石田流を回避する手にも触れられています。

この章では、棒金については載っていません。できれば、▲7七角・▲6七銀型に対す
る棒金にも言及して欲しかったと思います。


居飛車持久戦策 △5四歩・△5三銀型

△5四歩・△5三銀型(左美濃)に対しては、石田流本組にするのがベストとして、基
本的な攻め方や手筋を交えて解説しています。『久保の石田流』では「4手目△5四歩」
で少し書かれています。

△4四歩と角道を止めると本組からの攻めが厳しい→△2三銀から銀冠にするのは、そ
の瞬間に攻められる→△4四銀~△4二角~△3三銀と堅くする→▲7九角~▲5七角
と転換させて先手戦えるという流れです。


居飛車持久戦策 △6四歩・△6三銀型

△6四歩・△6三銀型(左美濃・銀冠・穴熊)に対して、石田流本組と▲7七角型での
攻防が34ページに渡って解説されています。この章は『久保の石田流』の「後手の左美
濃」にあたります。

前半は、△6五歩問題は大丈夫→△8四飛から銀冠や居飛穴にするのは、ダイヤモンド
美濃で対抗して戦える→△9四歩から△9二飛の千日手作戦が難敵という内容です。

後半では▲7七角型の石田流が登場します。最新の▲4五銀~▲6五歩の仕掛けが、久
保-谷川戦(2011.9)などを参考にして解説されています。第4図の分れは先手良さそう
に見えるが、先手陣は見た目以上に薄いので先手大変としています。

最後に▲4六歩~▲4七銀とダイヤモンド美濃にする持久戦の戦い方が解説されていま
す。これは『久保の石田流』でも触れられていますが、形が違っています。

CapD20120130_1.png


石田流対右四間飛車 急戦編

右四間飛車については、『久保の石田流』には載っておらず、鈴木八段の『石田流の
極意』でも簡単にしか解説されていませんでした。本書では急戦編・持久戦編と35ペ
ージに渡って取り上げられています。アマではよく見られる戦形なので待っていた方
も多いのではないでしょうか。

△6三銀型からの△6五歩(第5図)の仕掛けから、△5四銀型では、先手が▲7九
銀型、▲6八銀型など、局面ごとに△6五歩に対する攻防が解説されています。

また、中盤以降の戦い方にも言及しています。第6図は、鈴木大-鈴木輝戦(2001.4)
や鈴木大-杉本戦(2009.8)がベースとなっていますが、研究手順が加えられており、
かなりハイレベルな内容です。

CapD20120130_2.png

石田流対右四間飛車 持久戦編

右四間+居飛穴が取り上げられています。△5四銀が早い場合と△6三銀で待機して
いる場合を解説していますが、先手は、序盤から積極的に動いていけば、十分対応で
きるとしています。

升田式石田流 序編

升田式石田流に組み上げるまでの△4五角問題や、△8六歩問題について書かれて
おり、『久保の石田流』の「升田式石田流の基礎知識」と似た内容です。ただし、変化
手順は違っているものがあります。

升田式石田流 本編

本編は、▲7六飛と升田式石田流に組み上げた形を取り上げています。これは、『久
保の石田流』や『戸辺流現代振り飛車手筋集』で解説されている内容とほぼ同じです。

第7図は、現在の課題となっている局面として『久保の石田流』にも載っていますが、
本書では9ページ割いています。(『久保の石田流』では2ページ。)永瀬-村山戦
(2011.5)、高崎-橋本戦(2010.1)、菅井-大石戦(2011.7)などをベースに、難
しい変化まで掘り下げられています。

升田式石田流(早石田

鈴木流、久保流急戦、早石田5八玉、早石田4八玉、菅井新手などについて簡単に触
れています。(固有名詞で○○流とは書かれていません。)これらについての解説は、
『久保の石田流』の方が詳しく、ここを読んだだけで、各種の早石田を指すのは難し
いと思います。

早石田4八玉では、久保-渡辺戦(2010.9)の進行から△3五歩として相振りにする指
し方が載っています。これは知りませんでした。

CapD20120130_3.png

4手目角交換

『久保の石田流』では「石田流の入口」に、少し載っている程度ですが、本書では18
ページ書かれています。4手目角交換に▲同飛から△2八角と打ち込む乱戦は、永瀬
-高崎戦(2011.2)が基になっていますが、第9図から実戦で指した△6五角ではなく、
△4四角で難解ながらも後手持ちとしています。

4手目角交換から▲8八銀に△5四歩と突く最新形についても7ページ解説されてい
ます。第10図から▲7七銀と上がる指し方は、24高段者の将棋でもよく見かけてい
ましたが、わからない部分がありました。本書の解説は参考になると思います。

CapD20120130_4.png

補足の章

居飛車持久戦策の補足として、居飛車が△5三銀型や△6三銀型の形を保留する指
し方について触れています。また、右四間飛車の補足として山本流石田封じが、4手
目角交換△5四歩型の補足として、▲8六歩と突っ張る指し方が解説されています。


まとめ

『久保の石田流』をお持ちの方にも、お勧めできる良書だと思います。

本書の内容は、『久保の石田流』と重複する部分がありますが、取り上げる局面など
は違っています。『久保の石田流』では書かれていない右四間飛車が詳しく解説され
ており、本組や7七角型石田流、4手目角交換などについても本書の方が充実してい
ます。逆に後手石田流や2手目3二飛戦法については載っていません。 

ただ、『久保の石田流』と比較して、中盤以降の変化が詳しく書かれており、また、プ
ロの最新研究が散りばめられているので、難解かもしれません。全体的には、上級~
有段者向けの本だと感じました。

しかし、解説は丁寧でわかりやすいので、盤に並べながら読んでいけば、級位者の方
でも十分理解できると思います。もし、二冊の購入を考えているようでしたら、『久保
の石田流』から入るべきでしょう。

また、本書には実戦譜がついていませんが、ネットで棋譜が簡単に入手できる時代な
のであまり必要はないと思います。

五段階評価

難易度:★★★★★
内容:★★★
解説:★★★
実用度:★★★

総合:★★★★

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2012.01.30 / Top↑
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