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第1図は、升田式石田流で▲7七銀と上がった形です。▲7七桂型でなく▲7七
銀型は、升田式石田流で現在有力とされている形です。ここは作戦の分岐点で、
端歩を突く以外には、▲8六歩と突く手と▲6六銀と銀が出る手が多く指されて
います。

升田九段が書かれた『三間飛車の指南』では、両方とも取り上げられています。
この本はさすがに内容は古いですが、今でも十分通用する指し方も多く、手の意
味の解説などはかなり参考になります。独特の口調で語っているのが面白いので、
引用して紹介したいと思います。

ここでは、▲6六銀について考えてみます。

▲6六銀は、次に▲5五銀と中央に進出させるのが狙いです。知名度は低いと思
いますが、升田九段は、宙釣り銀と名前をつけています。

「この発想は、左翼で遊んでおった銀をともかく右翼の戦いに参加させようとす
る苦心の発想なのである。升田の宙釣り銀とでも命名しておこう。」


CapD20110522.png

第2図から、
△9四歩 ▲9六歩 △5四歩 ▲4六銀 (第4図)

第2図から、△5四歩と突かれる手が気になります。しかし、この手は承知の上
での銀出です。升田九段は、

「△5四歩と突かせるのは、△5四角の飛取りを消す意味で先手に必要な手。」
書いており、△5四歩を誘っている感じです。

△5四歩と突かなければ、▲4六角(第3図)と打つ手があります。この手は現
在でも見かけます。しかし、第3図では△2四角と合わされると、▲同角 △2
四銀の結果は先手が面白くないと解説しています。


CapD20110522_1.png

第4図から、
△1四歩 ▲1六歩 △8四飛 ▲5六歩 △4四歩 ▲6六歩
△5二金右 ▲7七桂(第5図)

第4図のような形から、局面をどう打開していくかは、升田式石田流の課題とも
なっています。

升田九段は、注意点として、

「この形は、角交換で後手に角を持たしとるので、この角で飛取りに打たれる手
を、常に注意しなければいかん。△5四歩と突かせたからといって安心はできん。
何かの綾で△4三角のような手も生じることもあるから。」
と書いています。

また、先手の狙いとして、▲7七桂と跳ねてから、▲8六歩 △同歩 ▲8五歩
と飛車先から逆襲する手をあげています。

第5図から、
△2二玉 ▲2六歩 △3二金 ▲3六歩 (第6図)

どこで一歩を入手して、▲8六歩からの攻めを実現させるかですが、▲5五歩は、
△同歩▲同銀 △4五歩 ▲5四歩 △3二角で銀が死んでしまいます。なので、
▲3六歩から取りに行きます。


CapD20110522_2.png

第6図から、
△同歩 ▲同銀 △3四歩 ▲4六銀 △8二飛 ▲3七銀引 (第7図)

△8二飛と引かなければ、▲8五歩から前述の筋で先手がよくなるので、引くの
は仕方がないでしょう。先手も3六の地点が傷になっているので、▲3七銀と引
きます。

『三間飛車の指南』では、第7図は形勢互角として締めくくっています。


第8図は、大山名人との名人戦 第6局(1971年)からです。宙釣り銀から▲4
六銀の形に対して、大山名人は△4四銀型にして歩の交換を阻止しています。

ここでの▲6七角は妙角と言われています。3四の歩を狙った手ですが、勝又六
段は『最新戦法の話』の中で、「こんな自陣角はちょっと真似できるものではあり
ません。」と書いています。

升田式石田流の自陣角は、局面打開のポイントになる手で、似た局面で▲5七角
や▲4八角などの手も指されています。(第8図で▲5七角は、△8九角があり
ます。)


CapD20110522_3.png


参考文献
『三間飛車の指南』 升田幸三著 大泉書店
『最新戦法の話』 勝又清和著 浅川書房



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2011.05.22 / Top↑
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