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早石田の分類と移り変わり

早石田とは、角道を止める持久戦型石田流と違い、序盤早々に角交換から急戦にな
る石田流のことをいいます。

初手から、
▲7六歩 △3四歩 ▲7五歩 △8四歩 ▲7八飛 △8五歩(第1図)

第1図が基本形で、現在ではここからいろいろな指し方が生まれています。


第1図から、▲7四歩(第2図)と突く手は長い間無理だとされていました。

CapD20110305.png

しかし、2004年5月に鈴木八段が、第2図から、

△同歩 ▲同飛 △8八角成り ▲同銀 △6五角に、▲5六角(第3図)

と合わせる新手を指しました。(ここでは以下の変化は省きます。)

鈴木八段は、2006年に棋聖戦の挑戦者になり、第1局と第3局をこの鈴木流早石田
で戦っています。


鈴木流は、後手の対策が進み、最近ではあまり指されなくなりましたが、第2図から、
△同歩に、▲3八銀▲5八玉と指す手を、2009年初春頃から将棋倶楽部24で見
かけるようになりました。

CapD20110305_1.png

第4図の早石田9手目▲3八銀は、プロの公式戦では指されてはいません。しかし、
早石田9手目▲5八玉は2010年5月に稲葉四段が指し、稲葉新手と言われまし
た。実際には菅井四段や都成三段が以前から研究していたそうです。

また、9手目に▲4八玉と上がる形もあり、2010年9月に久保二冠が渡辺竜王との
対局で指しています。

CapD20110305_2.png

第1図から、▲7四歩と突かないで▲7六飛(第7図)と浮く手は、2010年11月に
菅井四段が指しました。その後、久保二冠がタイトル戦で指すなどして話題になり
ました。

升田九段は著書の中で、「早石田はそれ自体結論の出ている戦法であるから、いく
ら改良しようがよくなる余地はない。」と書かれているのですが、これほど新手が出てく
るとは多くの人が想像できなかったと思います。


CapD20110305_3.png



第1図から、▲4八玉 △6二銀(第8図)から、▲7四歩(第9図)と仕掛ける手は
昔からありました。


CapD20110305_4.png

第9図から、
△同歩 ▲2二角成り △同銀 ▲5五角(第10図)

と進めば、古典的な急戦石田流で、多くの本で紹介されています。縁台将棋なら、
先手が有利になることが多いかもしれません。

しかし、▲7四歩を△同歩と取らないで、△7二金と受けられると先手の攻めが続
かないと考えられていたので、プロの対局ではずっと指されることはありませんでした。

ところが、2009年2月に、久保二冠が△7二金に対して、▲7五飛(第11図)の新手
を指して快勝しました。

CapD20110305_5.png


第8図から▲7六飛(第12図)と浮く手も指されており、この形からはスイッチバック自陣
と呼ばれる手が生まれています。

第8図から、玉を美濃に囲ってから▲7六飛と浮き、角交換になった形を升田式石田
といいます。升田九段が、1971年の大山名人との名人戦7番勝負で、素人将棋
の見本とされていた早石田を連戦採用したのは有名な話です。

升田式石田流は手詰まりになりやすいので、現在は玉を囲う前に急戦を仕掛ける手
がいろいろと研究されているのです。

※もっと広い意味で升田式石田流を定義することもありますが、ここでは角交換型の石田流を升田式
石田流と考えていきたいと思います。

CapD20110305_6.png





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2011.03.05 / Top↑
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