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第1図は、石川-小倉戦(2011.3)からです。先手は居飛穴が完成しています。

前回は▲5五歩と中央から動いてきた時の指し方を検討しました。今回は▲6八角と引
いてきた場合の対応を小倉先生の実戦譜を参考にして考えてみます。

6四銀型は左辺が薄いのが欠点です。引き角からは、▲2四歩 △同歩 ▲3六歩など
として飛車交換を狙われる筋があり、手ごわい相手となります。

第1図以下の指し手
△4五歩 ▲6八角(第2図)

第1図で△3六歩~△4五歩を狙うのは、飛車交換になるなら戦えるかもしれません
が、▲同歩 △4五歩に▲1六飛とかわされて失敗します。

CapD20130505.png


塚田-小倉戦(2009.1)でも、同一局面になっているので、まずはそちらの進行をご覧く
ださい。

第2図以下の指し手
△5三角 ▲8六歩 △7四歩 ▲8七銀 △8四歩 ▲8八金上 △4三金(第3図)

第2図で△3六歩は、▲2七飛 △3七歩成り ▲同飛 △同飛成り ▲同桂が予想され
ます。これは、後手が少し自信ないかと思います。なので、△5三角と手待ちしましたが、
▲8六歩から銀冠穴熊に固められてしまいました。

△4三金は苦心の手です。この手で△7三銀引は▲5五歩、△8三銀は▲2四歩 △同
歩 ▲3六歩から飛車交換を狙われます。

第3図以下の指し手
▲2七飛 △4四金 ▲3六歩 △8三玉 ▲1四歩 △同歩 
▲2四歩 △同歩 ▲3五歩 △同金(第4図)

▲2七飛は角の当たりを前もって避けた手で、△3六歩なら▲2四歩があります。△4三
金~△4四金と3筋を厚くしていきましたが、強襲する順がありました。

第4図以下、▲3五角 △同飛(△同角は、▲3六歩~▲3五金) ▲2四飛と進みました。
これは後手自信ないでしょう。

CapD20130505_1.png

石川-小倉戦(2011.3)に戻ります。

第2図以下の指し手
△5三角 ▲1八香 △6二角 ▲8六歩 △4四角 ▲8七銀 △6五銀(第5図)

後手は、やはり△5三角と手待ちしました。先手が▲8六歩~▲8七銀と固めようとし
てきたところで、△6五銀と出ました。

第5図以下の指し手
▲7七銀 △5五歩 ▲同歩 △同角 ▲6六歩 △5四銀 
▲8八金上 △6四角 ▲3六歩(第6図)

先手は銀を引いてビッグ4に組み上げます。後手は5筋でポイントを稼ごうとしました
が、▲3六歩と仕掛けられました。

以下、△4三銀 ▲2四歩 △同歩 ▲3五歩に△5四飛と凌ぎ、小倉七段が勝利しま
した。しかし、第6図は実戦的には先手が勝ちやすいのではないでしょうか?


後手は第2図から有効な手があまりなく、ビッグ4に組まれては苦しいと思います。
△6四銀型石田流は囲いの発展性がないことが短所です。居飛穴を完成させて引き
角にされる前に、野月-小倉戦(2013.4)のように△3三桂を保留して仕掛けるなどの
工夫が必要だと思います。

CapD20130505_2.png




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2013.05.05 / Top↑
△6四銀型石田流の長所を考察してみました。

①居飛車を重い形(6六銀・7七角型)にさせ、隙を見て仕掛ける手が成立する。
②中央での戦いに強い。
③玉頭銀の含みがある。
④終盤で角を使ってのコビン攻めの心配が少ない。


などがあげられるでしょうか。①については前回解説しましたので、今回は②について
考えてみます。


参考1図は六段の方と七段の方の対局からです。

参考1図以下の指し手
△同歩 ▲同銀 △5三角 ▲5四歩 △7一角 ▲5六飛(参考2図)

石田流組換え型に対しては、先手が▲5五歩から動いてくることがよくあります。

△同歩 ▲同銀に、△5三角から△3六歩を狙いましたが、▲5四歩~▲5六飛と十分
な形を作られてしまいました。

△5三角のところでは、△6四歩や△5四歩の方が有力だと思います。しかし、一歩を
持たれてやや不満かもしれません。

CapD20130428.png

参考3図は、『永瀬流 負けない将棋』に解説されている大石-永瀬戦(2010.9)からで
す。中央を狙われた後手は、美濃囲いを崩して△5三金~△6三銀と厚みで対抗して
います。

将棋倶楽部24高段者の対局では、高美濃に組まないで△6三銀と上がり、中央に備
える指し方もよく見られます。(参考4図)

CapD20130428_1.png


6四銀型は中央での戦いに強い

居飛車の▲5五歩に対してうまく指した将棋が横山-小倉戦(2012.10)です。

第1図以下の指し手
▲5五歩 △4五歩 ▲5四歩 △同飛(第2図)

▲5五歩には△4五歩と突いて飛車の横利きを通し、▲5四歩を△同飛と取りました。

CapD20130428_2.png

第2図以下の指し手
▲5五歩 △3四飛 ▲5六飛 △5三歩(第3図)

▲5五歩と押さえられ、▲5六飛と回られて△5三歩と打たされました。居飛車は5五
の位を取りましたが、駒のバランスは良いとは言えません。

第3図以下の指し手
▲9八香 △3三桂 ▲2六飛 △6二角 ▲9九玉 △3六歩(第4図)

後手は△6二角から△3六歩とおなじみの仕掛けです。

▲2六飛のところで▲9九玉には、△2四歩で後手が良いでしょう。

CapD20130428_3.png

第4図以下の指し手
▲同歩 △5四歩 ▲2七飛 △5五歩 ▲同銀 △6五銀(第5図)

▲3六同歩に△5四歩で攻めがつながります。この形での飛車交換は先手が悪いよう
で、横山五段は▲2七飛と引きました。

△5五歩~▲同銀に△6五銀と出られるのが6四銀型の強みです。先手は角頭を狙わ
れて気持ち悪いでしょう。

20手ほど進んで飛車交換となりました。(第6図)

角取りの先手で飛車を打ち、また、銀が居飛穴の急所に利いており、後手が優勢だと
思います。

CapD20130428_4.png




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2013.04.28 / Top↑
第1図は、野月七段と小倉七段の対局(銀河戦2013.4.1)からです。

ここからは、後手が相穴熊矢倉流一手損四間飛車にすることが多いです。小倉先生
がよく指されているのは、石田流に組み換える指し方です。

ノーマル三間飛車から石田流に組み換える指し方は、いろいろあります。しかし、普通
は左の銀が4三か5四にいます。△6四銀型の石田流は、他の棋士はほとんど指して
いませんが、小倉先生は現在、主力戦法にされているようです。

第1図以下の指し手
▲6六銀 △3五歩 ▲9九玉 △5一角 ▲2六飛 △3四飛(第2図)

第1図では▲6六銀と上がるのが普通です。▲6六歩は、△7四歩~△7二飛と角頭を
狙われるリスクがあります。

後手は△3五歩から石田流に組み換えました。

CapD20130423.png

第2図以下の指し手
▲8八銀 △7二銀 ▲1六歩 △5二金左 ▲5九金右 △6二角(第3図)

▲1六歩は、少し遅い居飛車の税金。▲1六歩を突いてこない場合に、△1五角と出
た小倉先生の実戦も、五局ほどあります。

美濃囲いを完成させてから△6二角と転換しました。

第3図以下の指し手
▲7九金 △9四歩 ▲9六歩 △3六歩(第4図)

△9四歩に▲9六歩と受けましたが、ここは▲6九金右と指したい感じもします。端を
詰められるのを嫌ったのでしょうか。後手は△3三桂を省略して、居飛穴が未完成の
うちに△3六歩と仕掛けました。

CapD20130423_1.png

第4図以下の指し手
▲同歩 △4五歩 ▲2八飛 △3六飛 ▲4九金(第5図)

△3六歩~△4五歩は、この形でのおなじみの手順です。この仕掛けがうまくいくか
どうかは、互いの陣形によります。先手が飛車交換歓迎なら、第4図で▲同飛あるい
は、▲同歩 △4五歩 ▲2七飛と指すでしょう。

この場合は、穴熊が未完成であり、角と銀の形が重いので、飛車交換は先手が悪そ
うです。なので▲2八飛~▲4九金とひねって受けました。

第5図以下の指し手
△4六歩 ▲同歩 △同飛 ▲4八歩 △5六飛(第6図)

第5図で△2六飛とぶつけるのは、▲同飛 △同角 ▲3一飛で、△2八飛には▲3九
飛成りと引かれて難解です。△4六歩が落ち着いた好手でした。▲同歩に△同飛~
△5六飛と進んだ局面は、後手が指せると思います。

CapD20130423_2.png




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2013.04.23 / Top↑

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