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タイトル戦で早石田古典定跡の形が登場

第1図は、棋王戦第2局(久保-郷田戦 2012.2.25)より、後手が角交換から△2
二銀と上がった手に対して、▲7四歩と仕掛けた局面です。

第1図から、
△同歩 ▲5五角 △7三銀 ▲7四飛(第5図)

実戦では△同歩と取りましたが、ここは△7二金と守る手も考えられます。△7二金
に久保流の▲7五飛は指し難いでしょう。▲7七桂(第2図)と跳ねるのが有力と思
います。

CapD20120310.png

続いて△3三銀なら、▲7三歩成り △同銀 ▲6五桂 △6四銀 ▲7一角(第3
図)で、これは、前回第7図と同じ局面になります。

以下、△9二飛 ▲5三角成り △同銀 ▲同桂成り △4四角 ▲5四銀で、難解
ながらも先手の攻めは続きそうです。

△7四同歩には▲同飛と取る手も有力です。永瀬-村山戦(2011.7)ではそのような
展開になり、△3三銀 ▲7七桂 △4二玉(第4図)と進みました。

CapD20120310_1.png

久保-郷田戦では、△同歩に▲5五角と打ち、△7三銀 ▲7四飛(第5図)となり
ました。これは、先手の8八銀が7九銀との違いはありますが、有名な早石田古典定
の形です。公式戦でこの形が指されたことはないようですが、タイトル戦で指される
とは思いませんでした。

第5図から、
△6四銀 ▲8四飛 △同飛 ▲2二角成 △4四角 ▲同馬 
△同歩 ▲2二角(第7図)

久保-郷田戦では、第5図から△6四銀と指されました。この局面は、定跡書には△
6四角が正解として解説されていることが多いです。(詳しくは、『早石田の基本 2』
を参照してください。)しかし、今後は棋王戦で指された△6四銀が定跡になるのかも
しれません。

久保棋王の飛車捨て

升田九段の『升田式石田流』を見ると、△6四銀は、▲同飛 △同歩 ▲同角 △7三
歩 ▲7四歩で居飛車が容易でないと書かれています。その進行でも難しいと思います
が、久保二冠が指したのは、▲8四飛!!でした。これは従来の定跡書には書かれてい
ない手ですが、『久保の石田流』に載っている手です。

▲2二角成に、郷田九段は1時間以上考えて△4四角と指しています。▲同馬に△同
歩と取った局面は、『久保の石田流』には、▲9五角と王手飛車をかけ、△8二飛打 
▲2二銀(第6図)で先手が少しいいと書かれています。

CapD20120310_2.png

しかし、解説の山崎七段は、▲9五角に△8二飛打あるいは△9四飛打の局面を想定
して、「振り飛車が自信ないように思う・・・」と話していました。 久保棋王も、やはり▲9
五角では大変だと判断されたようで、約30分考えて▲2二角(第7図)と打ちました。


※後日発売された『早分かり石田流定跡ガイド』(所司和晴著)では、▲2二角以下△4二飛引まで
の進行は後手満足として、▲9五角が有力と書かれています。
▲9五角に△8二飛打は、▲2二銀 △4五角 ▲2一銀成 △6七角成 ▲9六桂で後手不利。
△9四飛打は、▲7七角以下、形勢不明と解説されています。



第7図から、
△8六歩 ▲同歩 △1二飛 ▲4四角成 △4六歩(第8図)

△1二飛は、駒を取らせないという手です。また、▲4四角成に△4六歩からの攻め
も狙っています。

CapD20120310_3.png

郷田九段の完勝譜

第8図から、
▲同歩 △8六飛 ▲7七馬 △4六飛 ▲4七歩 △4二飛引(第9図)

△8六飛に▲8七歩は、△4六飛の王手馬取りで終わってしまいます。第9図からは、
▲9五馬と王手をかけましたが、馬は7七の位置で1一のラインに睨みを利かせてお
いた方がよかったかもしれません。本譜は、2枚の飛車が活用され、郷田九段が完勝
しました。



第9図の形勢は、後手が良いのかというと、そう簡単ではないと思います。▲9五馬
でなく▲3八玉には、△9二角が厳しそうですが、▲5六銀で受かっています。


後日、将棋倶楽部24高段の方が第9図まで同一手順で指していました。

その対局では、以下、
▲5八金左 △3五歩 ▲7四歩 △9四歩 ▲3八玉 △6五角
▲2八玉 △7四角 ▲3八銀(第10図)

と進行しました。先手はうまくまとめた感じで、馬の睨みがきつく後手は駒組が大変
そうです。結果は先手が勝利しています。


CapD20120310_4.png

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2012.03.10 / Top↑
△2二銀の変化

前回第1図から、
△8八角成 ▲同銀 △2二銀(第1図)

第1図の△2二銀が、最近プロの対局でよく指されている手です。この手で、△3二
銀 ▲7七桂 △4二玉と左美濃を目指す手は、▲5五角 △5四角(△3三角な
ら▲4六角) ▲2六飛(第2図)となった時に、△3三桂か△4四歩と受けなくては
ならないので、後手少し不満です。

CapD20120304.png

スイッチバック自陣角はできない

第1図から、
▲7七桂 △3三銀 ▲4六角(第3図)

第1図で▲7四歩と攻める手を、先日久保二冠が指していますが、今回は▲7七桂
を検討します。

▲7七桂には、△3三銀と上がります。この局面で▲5五角と打つのは、△4四銀と
出られて
やぶ蛇になってしまいます。△2二銀~△3三銀は、前回紹介したスイッチ
バック自陣角を封じる意味もあるのです。

攻めるとしたら①▲4六角(第3図)と打つ手と②▲7四歩が考えられます。


①▲4六角

第3図から、
△5四角 ▲5六飛 △2七角成り ▲7四歩(第4図)

▲4六角にも△5四角と打たれる手があります。角がいるので▲2六飛と受けること
はできません。▲5六飛と逃げるくらいで、△2七角成りに▲7四歩の攻めが利くか
どうか。

第4図から△7二金は、▲7三歩成り △同金 ▲6五桂。△8四飛には、▲7三
歩成り △同銀(△同桂にも▲5三飛成り)▲5三飛成り。 △6四歩には、▲7
三歩成り △同桂 ▲7四歩で、どれも難しいとは思います。

CapD20120304_1.png


②先に▲7四歩と突く

中村亮四段は第2図から▲4六角ではなく、▲7四歩(第5図)と先に歩を突きまし
た。 (中村亮-増田戦2010.9)

第5図から、
△同歩 ▲同飛 △4二玉 ▲7五飛(第9図)

第5図では、いろいろ手が考えられます。△5四角なら、▲7五飛と逃げられます。
△4五角なら、▲4六角 △6七角成り ▲7三歩成り(第6図)と攻め合って先手
が戦えると思います。

CapD20120304_2.png

第5図で△7二金と受ける手もあります。以下、▲7三歩成り △同銀 ▲6五桂 
△6四銀に、▲7一角(第7図)と打ち、△9二飛に▲5三角成りで、難解ですが先
手の攻めはぎりぎり続きそうです。

実戦では、△同歩 ▲同飛と進みました。ここで△7三歩なら▲7五飛で後手困りま
す。△7三銀は▲同飛成りと切られて、後手危なそうです。△4二玉に▲7五飛(第
9図)と中段に引いて、▲8五飛を狙います。

△4二玉の局面は、左半分だけを見れば、先日の王将戦第4局と同一です。ここでは、
王将戦で指された▲4六角(第8図)と打つ手もあったかもしれません。このあたりの手
のコンビネーションは難しいところです。

CapD20120304_3.png

第9図から、
△8六歩 ▲同歩 △同飛 ▲7八金 △6四角 ▲8七歩 
△8二飛 ▲7六飛(第10図)

第9図で△7二金なら、▲8五飛 △8三金 ▲5八金左で問題ありません。▲7五
飛に△8六歩が、後手用意の反撃です。△6四角のところで△7六歩は、▲8七銀で
先手が少しいいです。

第10図は、先手だけが角を手持ちにしていますが、後手は飛車先が切れ、持ち歩の数
も多く、形勢は難しいと思います。結果は、先手がうまくまとめて勝利しました。

第3図の▲4六角、第5図の▲7四歩に自信なければ、▲3八玉と指して一局です。

CapD20120304_4.png




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2012.03.04 / Top↑
久保棋王がタイトル戦で、三手目▲7五歩から9手目に▲7六飛(第1図)と浮く形を
続けて指しています。当ブログ『早石田菅井新手 4』で、この形について簡単に触
れていますが、新手も出ているのでまとめてみたいと思います。

初手から、
▲7六歩 △3四歩 ▲7五歩 △8四歩 ▲7八飛 △8五歩
▲4八玉 △6二銀 ▲7六飛(第1図)

第1図は公式戦で十数局現れていて、▲7六飛に後手は全て△8八角成りと指してい
ます。角交換してこなければ、▲6六歩あるいは▲7七桂と指して石田流にできるので
先手十分です。

第1図から、
△8八角成 ▲同銀 △4二玉(第2図)

▲同銀に後手の指し手は、△4二玉△2二銀(△3二銀)に分かれます。プロの対局
では、以前は△4二玉がほとんどでした。しかし、最近は△2二銀が多くなっています。
その理由は次回に説明しますので、今回は△4二玉を検討したいと思います。 なお、
▲同銀に△4五角は、▲5五角で香取りが受からず後手不利です。

第2図で先手の有力手は、▲3八玉と▲7七桂が考えられます。 どちらかと言えば、
▲3八玉は升田式石田流を目指す手(▲3八玉の位置で急戦を仕掛けた実戦例もあり
ます。)で、▲7七桂は急戦指向の手です。

CapD20120229.png

スイッチバック自陣角

第2図から、
▲7七桂 △3二玉 ▲5五角(第3図)

△3二玉に▲5五角が久保-羽生戦(2010.7)で指された手です。似た手は、久保-松
尾戦(2010.1)でも指されましたが、その時には▲7四歩 △7二金の交換を入れてから
▲5五角と指しています。その対局では後手が勝利しており、改良版といえましょう。

第3図から、
△2二角 ▲4六角(第4図)

▲5五角に△2二銀は、▲7四歩の攻めが厳しそうです。(実際には、△7二金・△6四角
・△5四角などの手があり難しいです。)△2二角の受けに▲4六角と引くのが、スイッ
チバック自陣角
と名前がついた手です。

CapD20120229_1.png

第4図から、
△4二銀 ▲3八銀 △8四飛 ▲3九玉 △6四歩 ▲7九銀(第5図)

△4二銀には、▲7四歩といきたくなります。しかし△7二金と受けられると、▲6五桂
と跳ねられない(△8八角成りがある。)ので、うまくいきません。△8四飛~△6四歩
と指されては、簡単には攻め切れません。▲7九銀から銀を繰り替えて陣形を整備
しにいきました。

少し進んで第6図となりました。先手は3七角型の石田流にしました。居飛穴や銀冠に
させないで、この形に組めれば先手は満足でしょう。

羽生二冠は、この指し方を優秀だと感じられたようで、1ヶ月後に、今度は先手番を持
って第17図と同一局面を指しています。(2010.8 羽生-佐藤戦)

CapD20120229_2.png




中村太五段の対策

羽生-佐藤戦の約一週間後、永瀬-中村太戦(2010.8)でこの形になり、15手目ま
で同一手順で進みました。▲5五角に対して中村四段(当時)が指したのは、香取りを
受けないで△5四角(第7図)と打つ手でした。これは飛車取りになっているので、先手
は飛車を逃げなければなりません。永瀬四段は▲6六飛と逃げました。

第7図から、
▲6六飛 △2二銀 ▲3八銀 △3三銀 ▲5六歩 △4四歩 ▲3九玉 △7二金
▲7四歩 △8四飛(第8図)

後手は、△2二銀~△3三銀として先手の角を狙いにいきました。▲5六歩は角の逃げ
道を作る手です。ここで△4四銀では角が動きにくくなるので、△4四歩と指しました。

先手は、▲7四歩と飛車のコビンを狙いましたが、△8四飛で後続がありません。第8
図は、先手と後手の飛車角の働きに差があり、後手が指しやすいでしょう。

CapD20120229_3.png

この対局の後、将棋倶楽部24強豪の方が第7図から、▲5六飛▲2六飛と逃げる手
を指していました。

▲5六飛には、△2二銀 ▲3八銀 △3三銀に、▲3六歩(第9図)と角の逃げ道を開
けますが、△4四銀で先手は苦しそうです。

▲2六飛には、やはり△2二銀 ▲3八銀 △3三銀(第10図)と進み、ここで▲3六歩
は突き辛く、▲3九玉か▲7八金くらいですが、△8四飛あるいは△4四銀で後手のペー
スでしょう。

永瀬-中村太戦以後、公式戦で第3図は出現しておらず、△5四角はかなり有力な対
策のようです。

CapD20120229_4.png




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2012.02.29 / Top↑

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