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竜王戦のニコニコ生放送での解説で、時間が余った羽生三冠が、王座戦第4局(千日
手局)の解説をされたことが話題になっています。羽生三冠が2手目3二飛戦法を指
したのですが、122手目の△6六銀は歴史的妙手と言われており、動画がいくつかの
サイトでアップされています。

その手については、ご存知の方が多いと思いますので解説はしませんが、この対局で
は、2手目3二飛戦法(4手目4二銀型)を指す上で、勉強になることがいろいろありま
した。

ここでは、1.11手目▲2四歩は成立しないのか?と、2.角道を閉じるタイミング
について考察してみたいと思います。


1.11手目▲2四歩は成立しないのか?

渡辺-羽生戦では、第1図から△7二玉に▲4八銀と指しています。ここで▲2四歩
突かれたらどう指すのかが疑問でした。

4手目4二銀型の第1号局、木村-佐藤戦(2011.5)で同一局面があり、その時には、佐
藤九段が△3三角(第2図)と上がっています。


CapD20121103.png


羽生三冠は、なぜ△3三角と上がらなかったのでしょうか?

木村-佐藤戦では、第2図から▲4八銀と指しています。しかし、ここでは▲3三角成
り △同銀に▲6五角(第3図)と打たれる手があり、それを気にしたのだと思います。
第3図からは、△7四角または△7二銀が有力ですが、いずれも▲4三角成りで後手
が少し自信なさそうです。

羽生先生は、△7二玉に▲2四歩と突かれたらどうするのかについても解説されてい
ます。以下、△同歩 ▲同飛 △8八角成り ▲同銀に△3一金(第4図)と受けて、大
乱戦になると話されていました。(▲同飛に△3一金もありますが、▲2三飛成りまた
は▲2八飛で同じ局面になります。)


CapD20121103_1.png


第4図から▲2三飛成りには△2二飛とぶつけて、▲2四歩 △2三飛 ▲同歩成り
(第5図)に▲2六飛あるいは▲2七角で、この進行は後手が指せそうです。

しかし、△3一金には、▲2八飛と引く手があり、その方が難しいです。△2二飛には
①▲2三歩と②▲2四歩が考えられます。


①▲2三歩

以下、△1二飛 ▲7七銀 △3三銀 ▲4八銀 △3二金(第6図)が進行の一例で、
難解な形勢です。


CapD20121103_2.png


②▲2四歩

先手は▲2四歩の方がわかりやすいと思います。以下、△3二金は▲4一角で後手苦
しいので、△1四角と受ける手が有力ですが、▲2三角 △4七角成り ▲3四角成り
(第7図)で、先手がわずかに良さそうです。


第1図から△7二玉に▲2四歩と突く手は、成立しているのではないかと考えます。

これらの進行に自信がなければ、第1図からは、△8八角成り ▲同銀 △2二飛(第
8図)と指すのがベストかもしれません。これにも、▲5六角と打たれる手はありますが、
△7二銀 ▲3四角 △3二金(▲2三角成りを警戒)で後手十分でしょう。


CapD20121103_3.png


2.角道を閉じるタイミング

もう一つ参考になったのは、角道を閉じるタイミングについてです。2手目3二飛戦法
(4手目4二銀型)で△3三角と上がった時には、早く角道を閉じたら居飛穴にされる
可能性があるので、どこまで角道オープンのままで指すべきかが難しいところです。

本局では、角を交換すれば手損になるので、24手目までお互い角道を開けたままで
進みました。先手は、できれば居飛穴にしたいのですが、第9図で▲6六歩と突くの
は、△6四歩からいつでも△6五歩と仕掛けられる手があるので危険です。

後手は、▲8七玉を見て△4四歩(第10図)と角道を止めました。このタイミングが重
要で、▲8六歩と指した段階で△4四歩は、銀冠から穴熊にされる可能性が残ってい
ました。

第10図は、居飛穴にされずに左美濃対ノーマル三間飛車にできたので、後手不満は
ないと思います。


以降は、類似局面がいくつかある形に進みました。対左美濃の指し方について参考に
なりますので、王座戦中継サイトにある解説付きの棋譜や将棋世界12月号をご覧い
ただければと思います。


CapD20121103_4.png




ここ数日、下書きを書いていたのですが、本日発売の将棋世界12月号を見たら、王座
戦第4局の解説とかなり被っていました・・・羽生先生の解説にはなかった第7図の進
行も想定通りでした。渡辺竜王は、▲2四歩と仕掛ける一手だったと話しています。や
はり▲2四歩は成立しているようです。

将棋世界12月号は、三間飛車党にとって読み応えがありそうです。勝又先生の講座で
は石田流が取り上げられており、いつもながら大変わかりやすいです。

『<新>イメージと読みの将棋観』には、早石田4手目角交換と、山本流石田封じの局面
が載っていました。久保先生の講座は、相振り飛車に入ったようです。菅井流が解説さ
れており、これからの連載が楽しみです。


参考文献及び参考サイト
・王座戦中継サイト
・ニコニコ動画 竜王戦第2局の解説
・将棋世界12月号 王座戦第4局の解説記事


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2012.11.03 / Top↑
第1図の▲5八飛は、2手目3二飛戦法での糸谷新手と呼ばれる手です。ここで、△
4七歩成りは、▲同銀 △同馬 ▲5三飛成り △7二玉に▲4二歩(第2図)と打
って先手の勝ちと『久保の石田流』に書かれています。

しかし、最近、私は第2図の先手番を持って指して、次に△5二銀と打たれて負けて
しまいました。

CapD20120104.png

△5二銀に▲4一歩成り(第3図)は最善でしょう。

私の実戦では、以下、△4三銀 ▲同龍 △6五角 ▲5四歩 △5二飛 ▲5三銀
(第4図)と進みました。

CapD20120104_1.png

第4図から、△同飛 ▲同龍 △5二歩に▲4三龍と逃げ、△5七銀(第5図)と打
たれました。▲4三龍では▲4二飛打ちとするべきでした。

第5図でも先手の優勢ですが、ここで▲4二飛と打った為に紛れてしまいました。第
5図では、▲6八銀と守るのが正解だったようです。


いろいろ調べてみると、第2図では△3三飛(第6図)とぶつける手が有力のようで
す。(第3図で△3三飛も難しい。)

CapD20120104_2.png

第6図から、▲4一歩成りに△5二歩(第7図)と受けます。

以下、▲4二龍 △4三飛 ▲同龍 △2九角成り ▲4二と(第8図)が進行例で
す。

△5二歩を▲5二馬と取るのは、△5三龍で難しくなります。

第8図は、後手に△5七銀、△6五馬、△3五角など、いろいろ手があり、簡単では
ありませんが、正しく受ければ先手が指せそうだと思います。

『2手目3二飛車戦法 3』の解説棋譜 糸谷新手と戸辺対策のまとめを書き直し
ましたので参考にしてください。

CapD20120104_3.png

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2012.01.04 / Top↑
前回、第1図の△7二銀は▲7六飛と浮かれて、少し危険だと書きました。その後、
実戦でこの局面を何回か指してみたのですが、△7二銀でも後手はかなり戦えること
がわかりました。

▲7六飛には、じっと△7一玉と指し、▲2六飛に△3四歩(第2図)と突きます。

Cap20111207.png

第2図から、
▲2三飛成り △8八角成り ▲同銀 △2二飛 
▲4三龍 △4二銀 ▲3四龍 (第3図)

▲2三飛成りには、角交換から飛車をぶつけるのが後手の狙いです。

第3図では、△2七飛成りの他に△1二角も有力です。

(1)△2七飛成り ▲2八歩 △2二龍 ▲3六龍(第4図)

第4図は、先手が歩を二枚得していますが、陣形に差があり、いい勝負だと思います。

CapD20111207_1.png


第3図から、
(2)△1二角 ▲3六龍 △6七角成り ▲7七桂(第5図)

飛車を成る代わりに、△1二角と打ち、馬を作りにいきます。第5図以下、△5七馬
で後手がよさそうです。

第2図からの乱戦を避ける為には、▲2三飛成りとせずに、▲7七桂(第6図)が考
えられます。続いて△3三角に、▲2三飛成りは△2二飛で面白くないので、じっく
り指していくのか、あるいは、▲6五桂~▲7四歩の攻めも考えられ、これが成立す
るかは難しく、研究課題です。


CapD20111207_2.png

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2011.12.07 / Top↑
2手目3二飛戦法に対して、先手が▲7八飛(第1図)あるいは、▲7五歩として三間
飛車で対抗してくることがあります。この形での序盤の注意点を書いてみたいと思いま
す。

▲6五角の筋が消えるまでは、△3四歩は突けない

第1図から、後手の指し手を考えてみます。

ここで△3四歩と突くのはよくありません。

▲2二角成り △同銀(△同飛)に▲6五角(第2図)と打つ手があります。これが、
7五歩・3五歩の形なら△3四角の切り返しがありますが、この場合は△3四角とは
打てません。第2図から、△5四角でまだ難しいのですが、好んで指す順ではないで
しょう。

後手は、▲6五角の筋が消えるまで(8三あるいは、4三に守りを利かすまで)は、△3
四歩と突かない方がよいと思います。


CapD20111028.png

なので、第1図からは△5二金左(第3図)や△6二玉(第4図)として玉を囲いにい
くのが普通です。


CapD20111028_1.png


増田-遠山戦(2011.10)では、第3図以下、▲7五歩 △3四歩 ▲5八金左 △3五歩
(第5図)と進み、よくある相三間飛車の形になりました。


▲7五歩に△7二銀はやや危険


第1図から△6二玉と指した第4図を考えてみます。次に▲4八玉なら、△7二銀と指
して大丈夫ですが、▲7五歩(第6図)と突かれた場合には、△7二銀と指すのは少し
危険です。


CapD20111028_2.png

次に▲7六飛(第7図)と浮かれると困るのです。

▲2六飛~▲2三飛成りを受けるには、△3四歩か△4二飛と指さなければいけませ
ん。△3四歩は、角交換から▲8二角がありますし、△4二飛と指すのは不満でしょう。

よって第6図からは、伊奈-小倉戦(2011.7)で指された△8二銀(第8図)や、△7二
玉・△5二金左などが考えられます。

CapD20111028_3.png


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2011.10.28 / Top↑
升田式石田流が狙いではない

今回は、第1図から先手が▲2五歩 △3四歩 ▲2四歩の急戦を見送った場合の
指し方を検討します。

木村-佐藤戦(2011.5.20)では、▲6八玉 △3四歩 ▲7八玉 △6二玉 ▲2
五歩と進み、△3三角(第2図)と上がりました。

従来の3二飛戦法は、升田式石田流にするのが狙いでした。しかし、佐藤新手では、
△4二銀と上がっているので、升田式石田流にするのは難しいのです。

△6二玉のところで△4四歩なら、ノーマル三間飛車になります。しかし、それな
ら2手目3二飛戦法を指した意味がありません。


CapD20110730_1.png

少し進んで第3図の局面で先手が角交換してきました。

△同銀 ▲8八玉に△2二銀(第4図)と引きました。ここで▲2四歩は、王手飛
車の筋があるので指せません。なので▲6六歩と指しましたが、△6五歩 ▲同歩
 △3五歩 ▲同歩 △同飛 ▲3六歩 △6五飛と進みました。

この指し方は、高度な感じがします。また、角を上がった瞬間(第2図)で、▲3
三角成り △同銀に▲6五角の筋もあります。


CapD20110730_2.png




最近、よく見かけるのは、次のような指し方です。

角交換振り飛車の形に

第5図は、先手が▲2四歩の急戦をしないで▲6八玉と指したところです。ここか
ら、△8八角成り ▲同銀 △2二飛(第6図)と向かい飛車にするのが、わかり
やすいでしょう。

この指し方は、24高段者の対局で、見かけていましたが、日浦-永瀬戦(2011.6.
30)
で指されました。

木村-佐藤戦での△3三角と受ける手と比べると、銀が4二のままなので、3三銀
型と3三桂型を選択することができ
、作戦の幅が広いといえます。


CapD20110730_3.png

序盤の注意点

角交換するタイミングは、第5図が適切です。ここで▲6二玉(第7図)と上がる
のは、▲2四歩 △同歩 ▲同飛 △8八角成り ▲同銀(第8図)で、△3三角と
打ちたいのですが、▲2一飛成りが4一の金取りになってしまうので、後手不利に
なります。


CapD20110730_4.png

また、第6図で▲5六角(第9図)と打つ手も気になります。これには、△7二銀
と上がり、▲3四角と歩を取らせて構わないでしょう。▲2三角成りからの強襲が
あるので、△3二金(第10図)と上がっておくのが無難です。一歩損ですが、後手
不満ないと思います。


CapD20110730_5.png

第6図からの進行例としては、

▲7八玉 △6二玉 ▲4八銀 △7二玉 ▲4六歩 △3三桂(第11図)

△3三桂では、△3三銀も考えられます。以下は、第12図のような駒組を目指しま
す。これはゴキゲン中飛車や角交換振り飛車で、おなじみの陣形です。

従来の2手目3二飛戦法は、升田式石田流にするのが狙いでしたが、佐藤流は角交
換振り飛車にするのが有力な作戦
といえるでしょう。


CapD20110730.png

※参考棋譜※


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2011.07.30 / Top↑

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