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将棋倶楽部24にponanzaが参戦して、連夜すごい盛り上がりを見せています。気にな
った対局をいくつか紹介してみたいと思います。


第1図は八段の方との対局からです。升田式石田流に対して△8六歩と突いたところ
で、石田流の定跡書には必ず載っている局面です。

第1図以下の指し手
▲同歩 △同飛 ▲2二角成 △同銀 ▲8八飛 △8七歩 ▲9八飛(第2図)

第2図までは、ほぼ必然(△8六飛に▲2二角成り △同玉 ▲8八銀と指して収める指
し方もあるようです。)で、ここで後手の指し手が分かれます。

CapD20130511.png

第2図で△8八角と打つのは▲7八金(第3図)と指して、①△7九角成りには▲同金
 △8八銀 ▲5五角、②△3三角成りなら▲7七角で、先手十分というのが定説です。

『石田流の基本【早石田と角交換型】』には、②の変化が掘り下げられています。ま
た、『久保の石田流』では、△8八角は無理で△3三銀が順当だが先手ペース、『よ
くわかる石田流』
では、△8四飛と引く手が解説されていますが、やはり先手戦える
としています。

しかし、第2図では△8二飛、△5四歩、△3五歩なども考えられ、研究が必要な局面
だと思います。

ponanzaが指したのは△2四角(第4図)でした。

私はこの手を実戦で指されたことはありませんが、 『Kengoの将棋 実戦・研究ノート』
というブログ(3・4・3戦法での△2四角)に書かれており、有力だと感じていました。

CapD20130511_1.png

第4図以下の指し手
▲4八金 △5四歩 ▲7八金 △5二金右 ▲8八歩(第5図)

第4図では、角成りを受ける手が必要です。k八段は▲4八金と指しました。囲いが崩
れるので指しづらい手です。次に▲7八金~▲8八歩と指して形をほぐしにいきました。

第5図以下の指し手
△8二飛 ▲8七歩 △1四歩 ▲6八銀 △4二角(第6図)

▲8八歩を△同歩成りは、▲8八飛から飛車交換になり、後手が自信ないでしょう。

▲8七歩で先手が一歩得になりました。しかし、△4二角で歩を取り戻されます。第6
図は互角でこれからの将棋でしょうが、角を手持ちにしている先手を指してみたい気
がします。実戦は79手でponanzaが勝利しています。

CapD20130511_2.png



D八段とponanzaとの対局でも第4図となりました。

第4図以下の指し手
▲6八角 △8四飛 ▲8六歩 △7四歩(第7図)

D八段は▲6八角と指しました。角を手放しますが、自然な受けだと思います。△8四
飛に▲8六歩と蓋をして、歩を取りにいきました。しかし、△7四歩から7五の歩を狙
われました。

第7図以下の指し手
▲同歩 △同飛 ▲7八銀 △7三桂 ▲6六歩 △3三角 
▲6七銀 △6四歩 ▲7八飛(第8図)

後手は、歩を交換して7四飛・7三桂と好形にしました。△3三角~△6四歩から△6
五歩を狙われて忙しくなった先手は、▲7八飛とぶつけました。

以下、△同飛成り ▲同金 △8八歩成り ▲同金 △6五歩となりました。この進行
は先手が悪いようで、ponanzaが52手で快勝しています。

CapD20130511_4.png



第4図では、▲4八金・▲6八角の他に▲6八金や▲7七角なども有力だと思います。△
2四角で先手が困ってはいないと考えますが、どう応じるのが最善なのかは判断が難
しく、研究課題です。


参考文献
『石田流の基本【早石田と角交換型】』 戸辺誠著 浅川書房
『久保の石田流』 久保利明著 日本将棋連盟
『よくわかる石田流』 高崎一生著 マイナビ

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2013.05.11 / Top↑
第1図は、先日放送されたNHK杯 菅井-井上戦からです。

この局面は、『久保の石田流』のp61 第17図と類似しています。ここから、先手
がどう指すのかは難しいところで、△5四歩に▲4六銀と引いて戦う実践例が3局
解説されています。

しかし、最近は後手が△5四歩を保留し、△4四歩~△4三角と飛車を狙う指し方
が増えているようです。

ここから、▲5六歩 △4四歩 ▲5七角 △4三角 ▲7四歩と進行したのが、
『升田式石田流 1』で紹介した永瀬-村山戦(2011.5)です。(一筋の端歩の交換有
り)


▲6六飛と指して、後手に5四歩型を強要させる

菅井五段は、▲6六飛(第2図)と寄りました。次に△4二金などとすると、▲4
六角や▲7四歩があり、先手よしとなります。なので、△5四歩は必然です。


CapD20110914.png

第2図から

△5四歩 ▲4六銀 △4四銀 ▲1六歩 △1四歩 ▲7六飛(第3図)

結局、飛車は▲7六飛と戻ることになります。手損のようですが、先手の狙いは△
5四歩と突かせる
ことにあります。この指し方は、久保-佐藤戦(2010.8)で久保二
冠が指しています。

第3図は、作戦の分岐点です。久保-佐藤戦では、後手は矢倉に囲い、先手は▲3
六歩~▲3七銀~▲1八香と穴熊を目指しました。(第4図)▲5六歩と突いて、
▲5七角や▲4八角、▲6六角などを狙う指し方もあります。


CapD20110914_1.png

第3図から、

△4二金直 ▲6六歩 △5五歩 ▲9六歩 △8二飛 ▲6七角(第5図)

菅井五段は、▲6六歩~▲6七角と独特の構想を見せました。解説されていた渡辺
竜王は、▲6七角を「一手で(後手が)嫌になっちゃう手。」と評していました。
3四の歩を守る手が難しいのです。△3三金や△3三玉とは受け難く、△3三銀は
5五の歩を取られてしまいます。

菅井五段は、7月の大石四段戦でも似た局面で▲6七角(第6図)を指しています。
似た形で▲6七角と打った実践例は少ないのですが、実は、『升田式石田流 2』
で紹介したように、升田九段が大山名人戦で指しています。


CapD20110914_2.png

井上九段は、△3五歩(第7図)と逃げました。

▲8五桂ポンの筋がある

渡辺竜王は、この局面で、▲8五桂と跳んで先手よしと解説されていました。以下、
△同飛と取れば、▲8六飛とぶつけて飛車交換になりますが、3四の地点が開いて
いるのが大きく
、先手が指せるようです。

△8九飛には、▲7一飛(第8図)の打ち込みが、▲2三角成りからの寄せを見せ
た厳しい手になります。


CapD20110914_3.png

第7図から、

▲5六歩 △3四角 ▲6五歩 △同歩 ▲5五銀(第9図)

菅井五段は▲8五桂は見送り、▲5六歩と突きました。これは自然な手でしょう。
△3四角に▲6五歩と突き捨てて、▲5五銀から捌きに出ました。

△同銀 ▲同歩 △6七角成り ▲同金 △7八角 ▲6八歩(第10図)

角交換から△7八角と打たれて、逆襲されたかにも思えますが、▲6八歩と受けて
大丈夫です。後手は玉形が悪く、先手には、▲5四歩や▲6五桂、▲7一角などの
手があり、不満のない分かれだと思います。


CapD20110914_4.png



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2011.09.14 / Top↑
第1図は、升田式石田流で▲7七銀と上がった形です。▲7七桂型でなく▲7七
銀型は、升田式石田流で現在有力とされている形です。ここは作戦の分岐点で、
端歩を突く以外には、▲8六歩と突く手と▲6六銀と銀が出る手が多く指されて
います。

升田九段が書かれた『三間飛車の指南』では、両方とも取り上げられています。
この本はさすがに内容は古いですが、今でも十分通用する指し方も多く、手の意
味の解説などはかなり参考になります。独特の口調で語っているのが面白いので、
引用して紹介したいと思います。

ここでは、▲6六銀について考えてみます。

▲6六銀は、次に▲5五銀と中央に進出させるのが狙いです。知名度は低いと思
いますが、升田九段は、宙釣り銀と名前をつけています。

「この発想は、左翼で遊んでおった銀をともかく右翼の戦いに参加させようとす
る苦心の発想なのである。升田の宙釣り銀とでも命名しておこう。」


CapD20110522.png

第2図から、
△9四歩 ▲9六歩 △5四歩 ▲4六銀 (第4図)

第2図から、△5四歩と突かれる手が気になります。しかし、この手は承知の上
での銀出です。升田九段は、

「△5四歩と突かせるのは、△5四角の飛取りを消す意味で先手に必要な手。」
書いており、△5四歩を誘っている感じです。

△5四歩と突かなければ、▲4六角(第3図)と打つ手があります。この手は現
在でも見かけます。しかし、第3図では△2四角と合わされると、▲同角 △2
四銀の結果は先手が面白くないと解説しています。


CapD20110522_1.png

第4図から、
△1四歩 ▲1六歩 △8四飛 ▲5六歩 △4四歩 ▲6六歩
△5二金右 ▲7七桂(第5図)

第4図のような形から、局面をどう打開していくかは、升田式石田流の課題とも
なっています。

升田九段は、注意点として、

「この形は、角交換で後手に角を持たしとるので、この角で飛取りに打たれる手
を、常に注意しなければいかん。△5四歩と突かせたからといって安心はできん。
何かの綾で△4三角のような手も生じることもあるから。」
と書いています。

また、先手の狙いとして、▲7七桂と跳ねてから、▲8六歩 △同歩 ▲8五歩
と飛車先から逆襲する手をあげています。

第5図から、
△2二玉 ▲2六歩 △3二金 ▲3六歩 (第6図)

どこで一歩を入手して、▲8六歩からの攻めを実現させるかですが、▲5五歩は、
△同歩▲同銀 △4五歩 ▲5四歩 △3二角で銀が死んでしまいます。なので、
▲3六歩から取りに行きます。


CapD20110522_2.png

第6図から、
△同歩 ▲同銀 △3四歩 ▲4六銀 △8二飛 ▲3七銀引 (第7図)

△8二飛と引かなければ、▲8五歩から前述の筋で先手がよくなるので、引くの
は仕方がないでしょう。先手も3六の地点が傷になっているので、▲3七銀と引
きます。

『三間飛車の指南』では、第7図は形勢互角として締めくくっています。


第8図は、大山名人との名人戦 第6局(1971年)からです。宙釣り銀から▲4
六銀の形に対して、大山名人は△4四銀型にして歩の交換を阻止しています。

ここでの▲6七角は妙角と言われています。3四の歩を狙った手ですが、勝又六
段は『最新戦法の話』の中で、「こんな自陣角はちょっと真似できるものではあり
ません。」と書いています。

升田式石田流の自陣角は、局面打開のポイントになる手で、似た局面で▲5七角
や▲4八角などの手も指されています。(第8図で▲5七角は、△8九角があり
ます。)


CapD20110522_3.png


参考文献
『三間飛車の指南』 升田幸三著 大泉書店
『最新戦法の話』 勝又清和著 浅川書房



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2011.05.22 / Top↑
永瀬四段が、公式戦で15連勝(5/15現在)と快進撃を続けています。このブロ
グをご覧になられている方はご存知だと思いますが、永瀬四段は三間飛車を得意
とし、大山名人を彷彿させるような受けが評判で、将来を期待されています。


先日の村山五段戦では、永瀬四段が升田式石田流を指しました。

第1図は、△4四歩と突いた手に対して、▲5七角と打った局面です。升田式石
田流は、お互い角を持ち駒にしていますので、角の使い方が大きなポイントにな
ります。

この▲5七角は間接的に8四の飛車を睨んでいます。5五銀・8四飛の形で▲5
七角を打った局に、久保-佐藤戦(2009年5月)がありました。(第2図)


CapD20110515.png

第2図から、△6三銀に、▲7四歩(第3図)と突きました。後手陣は、6一に
金がいるので飛車の打ち込みには強く、△7四同飛から飛車交換になりました。

続いて▲8三飛に△7二銀と引き、▲8二飛成り(第4図)と進んでいます。
後手は、△7六飛と打ちましたが、久保二冠によれば、この進行は先手失敗で、
▲8五飛成りなら先手も悪くないとのことです。(2009年9月 里見-早水女流
で実戦例あり。)

CapD20110515_1.png


永瀬-村山戦では4三の地点に空きがあるので、▲5七角に対して△4三角と飛
車取りに打ってきました。先手は構わず▲7四歩(第5図)と突きましたが、こ
の手は飛車取り返しになっています。

久保-佐藤戦と違って後手陣は飛車の打ち込みに弱く、飛車交換は先手有利です。

なので△8三飛と逃げて、以下 ▲6六飛 △6五歩 ▲同飛から飛車角交換に
なりました。

少し進んで第6図。今度は▲6六角と出て、4四の地点を攻めにいきました。△4
三金と守るのは、▲6一角が厳しい手です。実戦では、△4二金上と指しましたが、
既に先手が指しやすく、▲4四銀から流れるような攻めが続きました。


CapD20110515_2.png

第7図となっては先手大優勢です。ここからは、いろいろ勝つ手がありそうです。
永瀬四段は、じっと▲7三歩と垂らしましたが、1番確実な勝ち方だと思いまし
た。

△8二飛は辛い守りです。▲6八金~▲5八金は永瀬流でしょうか。△8七歩成
りと成りこんでも、▲8四歩(第8図)が落ち着いた好手です。以下、手数はか
かりましたが永瀬四段の快勝譜になりました。

なお、6月5日には、NHK杯戦で永瀬四段が登場します。対戦相手はなんと佐藤康
光九段。これは見逃せない一局となりそうです。<本日の大和証券杯 羽生名人
-菅井四段戦(昨年度勝率.762はランキング第3位)も、もちろん注目です。>

CapD20110515_3.png





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2011.05.15 / Top↑

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