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▲7五歩 △3五歩と伸ばしあった相三間飛車で、▲3八銀(第1図)と上がる手につ
いては、当ブログで何回か取り上げてきました。▲4六歩や▲2八銀ではなく、▲3八
銀と指せるなら、そう指したいのですが、△8八角成り ▲同銀に、△2八角と打たれ
る手が問題になるわけです。

将棋世界(2011.12月号)の鈴木八段永瀬四段の対談の中で、この局面が話題に
なり、▲3八銀は成立しているとの見解を示されていました。

先日の王将戦第2局 久保-佐藤戦(2012.1.26)では、先後逆で▲9六歩の一手
が入っていますが、ほぼ同一局面になりました。(第2図)久保二冠は、角交換~▲8
二角とはせずに、▲9五歩と指しています。やはり▲8二角では難しいと判断されたよ
うです。

CapD20120213_1.png

しかし、△2八角と打ってくれれば、先手が有利なのかといえば、そう簡単ではないの
です。奨励会三段リーグの三宅-西田戦(2011.10)で、この進行になり、後手が勝
利しています。

第3図から、
▲3二馬 △同銀 ▲6六桂 △8二桂(第4図)

第3図までの解説は、『美濃囲いへの△2八角』の(1)と(2)にありますので、詳しく
はそちらをご覧ください。ここまでは、ほぼ定跡化されていて、問題はここからの指し
方です。

▲3二馬と飛車を取り、▲6六桂に△8二桂と打ち返しました。3筋に飛車がいては戦
えないので、先手は飛車を取る展開になります。△8二桂は、部分的には悪形ですが、
先手はこれ以上攻める手が難しく、第4図は形勢不明だと思います。△8二桂の代わ
りに、△4四香や△5五桂、△3三香でも難解だと思います。

CapD20120213_2.png




第3図から、▲3六香と打つ手も有力です。

▲3六香 △3五歩 ▲3二馬 △同銀 ▲3五香(第5図)

第5図から△4四香の変化は、前回載せました。他には、①△3三歩、②△4一銀、③
△4五桂
が考えられます。

①の△3三歩は、▲1二飛に△4一銀と引かれて、次の手が難しいです。2九に馬が
いるので、ゆっくりした手では、△4四香・△5五桂・△4五桂などの手が入ると、先手
陣はかなり危険になります。

②△4一銀 ▲2一飛 △4二銀 ▲3二香成り △5一銀 ▲4一成香(第6図)

以下、△4四香あるいは△3二香で形勢不明だと思います。途中で▲6六桂と攻める
手もありますが、△7二玉とかわされて、はっきりしません。

CapD20120213_3.png

③△4五桂 ▲4六銀 △3六歩 ▲3八歩 △1五角(第7図)

第5図から△4五桂と攻めあう手も厳しいです。▲3二香成りは、△3七桂成りで先手
まずいです。第7図以下は▲2六桂と受けるくらいですが、△2八馬から△2七馬~△
2六角が間に合いそうで、先手自信ありません。

また、第3図から27手目▲3二馬に△3六歩も考えられ、▲3一馬 △3七歩成り ▲
同玉(第8図)となりますが、これも難しそうです。

Cap20120213.png

第1図から△2八角の変化は、プロの公式戦では指されたことはありません。しかし、
水面下では詰みに近いところまで研究されていて、結論が出ているのかもしれません。

第3図での最善手は、▲3二馬なのか▲3六香なのか、他の手なのかは、私には正直
わかりません。しかし、アマ有段者までのレベルなら第3図までの変化を、有段者の方
は、それ以降の手を研究しておけばかなり戦えると思います。

角交換から△2八角が甘いとしたら、後手は▲3八銀にどう指したらよいのかは、次回
以降に検討したいと思います。


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2012.02.13 / Top↑
第1図は、相三間飛車で頻出の局面です。ここで、先手の有力手は、▲4六歩・
▲2八銀・▲7六飛・▲3八銀
などです。

プロの実践例では、▲4六歩が圧倒的に多いです。しかし、△8八角成りの阿部
新手が気になります。▲2八銀は、手堅く金無双にしようという手です。▲3八
銀は、▲4六歩と突かないで美濃囲いを目指す手ですが、△8八角成り~△2八
角(第2図)と打ち込まれる手があります。

私が調べた限りでは、プロの公式戦で、第2図は出現したことはありません。し
かし、24高段者の将棋では、時々見かけます。

杉本七段の著者で、この局面について書かれています。『相振り革命3』(p213)
では、▲7四歩 △8二銀 ▲7三歩成り △同銀 ▲7四歩 △8二銀 
▲5五角の手順で先手有利となっています。

▲7四歩を△同歩は、▲5五角 △1九角成り ▲1一角成り △3三桂 ▲7四
飛で、先手指せると解説されています。

CapD20110830.png

しかし、『相振りレボリューション』(p198)では、第2図以下、

▲5五角に△3六歩(第3図)と突き、

▲1一角成り △3七歩成り ▲同銀 △1九角成り ▲2一馬 
△2九馬(第4図)

で後手持ちと評価が変わっています。これは、『相振り革命3』の時点では、△3
六歩の手が発見されていなかったからだと思います。

CapD20110830_1.png

24高段者の将棋では、第2図から、▲7四歩 △同歩の突き捨てを入れてから▲
5五角
が多いです。▲7四歩に△同歩は、ほぼ必然なので利かしてみたい感じが
します。ここでは、こちらの変化を掘り下げてみます。

▲7四歩 △同 歩 ▲5五角 △3六歩(第5図)

▲7四歩に△同歩、▲5五角に△3六歩と指すのが大切な手で、これ以外では
後手が悪くなります。※当ブログ『相三間飛車 美濃囲いへの△2八角』参照。

▲1一角成 △3七歩成 ▲同 銀 △1九角成 ▲2一馬 △2九馬(第6図)

▲1一角成で、▲9一角成りと玉側の香を取るのは、△1九角成り ▲8一馬 
△3七歩成りで後手よしです。

▲1一角成と成れば、第6図までは、妥当な進行でしょう。

CapD20110830_2.png

第6図から、

▲3六香 △3五歩 ▲3二馬 △同 銀 ▲3五香(第8図)

この形で先手の主張点は、飛車を取れることがあると思いますが、その取り方
が問題となります。

第6図で、▲3二馬 △同銀に、▲3一飛や▲6六桂も考えられますが、少し先
手が悪いようです。▲3六香(第7図)と打ち、△3五歩と打たせてから▲3二
馬と取る
のが高段の方がよく指している手順です。

第8図から、後手は△3三歩や△4一銀として受けるか、あるいは△4四香や△
4五桂と攻める手が有力だと思いますが、どちらが優勢なのか判断が難しい局
面だと思います。

CapD20110830_3.png

はっきりした結論はわかりませんでしたが、難解なだけに研究成果が出る形だと
思います。


※参考棋譜



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2011.08.30 / Top↑
第1図は、先日放送されたNHK杯戦、遠山-鈴木戦からです。

この局面からどう指すのかは、相三間飛車の課題にもなっています。以前は、△6
四歩と指して後手も高美濃にするのが普通でしたが、先手が有利になることが多い
のです。

そこで、第1図で△8八角成りとする阿部新手が登場しました。しかし、先手の対
策が進みプロではあまり指されなくなっています。


鈴木八段は、第1図から△8二銀と指しました。
これに対しての▲6八銀(第2図)があまり見かけない手でした。


CapD20110412.png


△3四飛には、△8四飛の筋があるので▲7七銀(第3図)と指しました。

この瞬間、形が悪くなりますが、▲7六銀~▲6五銀と繰り出していくのが遠山五
段の作戦
でした。第4図では、▲7四歩からの攻めが楽しみな局面になっています。

後手は、△2五桂から端を狙いにいきましたが、この形では少し無理があったよう
です。


CapD20110412_1.png

ここから大駒を交換しての捌きあいは先手に分があるので、△4四歩と角道を止め
ました。

続いて、▲7四歩 △同歩に、▲5五角(第5図)

△4五歩の反撃がありますが、▲2二角成り △同銀に、▲5六角(第6図)と打
ったのが上手い手でした。以下、遠山五段が快勝しています。


CapD20110412_2.png





金無双相手に▲6八銀~▲7七銀~▲6五銀と、銀を繰り出していくこの作戦です
が、遠山五段は、少し前に、戸辺六段との対局でも指していました。序盤はかなり
似た将棋になっています。第8図から、後手は、やはり△4四歩と角道を止めてい
ます。

戸辺六段はブログで、「序盤の駒組が良くなく、作戦負けから一方的な展開」と書
かれていました。鈴木八段、戸辺六段と棋界を代表する相振り飛車の研究家に連勝
した遠山流のこの指し方はかなり優秀だと感じました。


CapD20110412_3.png




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2011.04.12 / Top↑
先日のC2順位戦、横山-阿部戦は、相三間飛車になりました。阿部新手の局面にな
ったのですが、阿部四段は△8八角成りを見送り、14手目に△6二金と指しました。

先手が▲4七金と上がったタイミングで△6二金は、指されてみれば、なるほどな
という手です。先手は、次に▲3八銀とは指せません。(△2八角と打った時に、
戸辺流の▲4一角を消している。)

なので、先手は3八玉→2八玉→3八銀の手順で玉を囲うことになります。その時
に、後手は穴熊に組みやすい意味があると思います。


CapD20110314.png

普通に後手が穴熊を目指した場合には、第3図のようになります。成立するかはわ
かりませんが、▲7四歩や角交換からの攻めが気になります。第2図の局面では、
離れ駒がある先手からは、急戦を仕掛けにくいです。

阿部四段の構想の素晴らしいところは、高美濃がほぼ確定したのを見て、穴熊にす
ところです。高美濃が完成しても、スペースがあるので、先手は角交換をしにく
いでしょう。


CapD20110314_1.png

囲いが完成したら、攻めの体勢作りです。後手は四間飛車にし、3四銀・3三桂・
1三角
と矢倉崩しのような攻めの形を作りました。先手は、6六角・7七桂として
穴熊の端を狙いにいきました。歩を3枚手にした端攻めは、かなり厳しいものがあ
ります。第6図以後は、きわどい勝負になりましたが、詳しくは実戦譜をご覧くだ
さい。


CapD20110314_2.png




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2011.03.14 / Top↑
(3)▲3八銀

基本図から▲3八銀(第1図)と指す手も高段者によく指されています。美濃囲い
を作り、△8四飛~角交換~△5四角の狙いも受けています。しかし、角交換から
△2八角(第2図)が気になります。

△2八角問題

CapD20110224.png

第2図から自然に進めると、

▲7四歩 △同歩 ▲5五角(第3図)

が考えられます。以下、△1九角成りに▲9一角成り(第4図)と馬を作りあった
局面は、馬の働きは先手の方が良く、後手不満だと思います。


CapD20110224_1.png

上と似ていますが、第5図は、▲4六歩 △2四歩の交換が入っていない局面で
▲3八銀△8八角成り ▲同銀 △2八角(第5図)と進んだところです。

「相三間 美濃囲いへの△2八角」で、この変化を取り上げましたが、この場合
は、▲5五角に△3六歩(第6図)と指す手が好手で、やや後手よしだと思いま
す。

第3図では、この△3六歩と指す手がありません。


CapD20110224_2.png



端を絡めた後手の攻め

△2八角の筋は無理気味なので、普通に駒組を進めれば、一例として第7図が考え
られます。続いて、

△7二銀 ▲2八玉 △7一玉 ▲6八銀 △2四飛 ▲3六歩(第8図)

高美濃に組まれてしまった後手は向かい飛車にして2筋の歩交換を目指します。こ
れに対しては、やはり▲3六歩から金で飛車を圧迫したいところです。


CapD20110224_3.png



△2六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲2七歩 
△2四飛 ▲3五歩 △1五歩(第9図)

一歩を手にして、△1五歩から攻めるのが後手の狙っていた攻めです。

第9図から、▲同歩に△1七歩と垂らすのが手筋です。以下、

▲同 香 △2五桂 ▲2二角成 △1七桂成 ▲同 玉 △2二銀(第10図)

▲同香に△2五桂が気持ちのいい手です。第10図となれば後手の攻めが成功した形
でしょう。


CapD20110224_4.png


 参考棋譜


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2011.02.24 / Top↑