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第1図は、3手目▲6六歩に対して、△3二飛と振ったところです。ここからは相振り飛
車になる可能性が高いのですが、先手がやや不満な形とされています。その理由は、後
手だけが角道を通していることや、後手の方が早く飛車先の歩交換をすることができる
からで、公式戦データを見ても、先手の勝率が悪いことがわかります。

CapD20120902.png

CapD20120902_2.png

『向い飛車対三間飛車 11・12』では、第1図から、「後手は、美濃囲い△7一玉型&
浮き飛車にして、3三銀型や菅井流を狙うのが主流」と書きましたが、事情は少し違っ
てきているかもしれません。

最近の橋本-佐藤康戦(2012.8.2)、増田-横山戦(2012.8.28)、西川-永瀬戦(20
12.8.28)では、第1図から後手が穴熊にしています。

橋本-佐藤康戦については、『将棋・序盤のStrategy』さんのサイト(高段の方の考え
方がよくわかる素晴らしいサイトで、いつも勉強させていただいています。)で取り上げら
れているので、ここでは他の2局を紹介したいと思います。


西川-永瀬戦(2012.8.28)

16手目に△9二香と上がっていますが、穴熊にするのは予定の作戦だったと思います。
将棋世界2011年11月号『突き抜ける!現代将棋』 において、永瀬五段は「▲2八
銀には、すぐに△3三銀~△4四銀と動くのが有力」と話していましたが、最後に「三
間穴熊も有力」と付け加えています。

CapD20120902_3.png

◇矢倉崩し対策の▲8五飛

先手は、高美濃から矢倉に組み換えます。穴熊に対しての矢倉は、相性が悪いとさ
れています。藤井先生の『相振り飛車を指しこなす本1』では、「相振り飛車における
穴熊という囲いそのものが、矢倉崩しをやりたいがために生まれてきたような面がある
。」と書かれており、穴熊の堅陣からの矢倉崩しが詳しく解説されています。

しかし、後手は△3四銀・△4二飛からの矢倉崩しをせずに、△5二飛(第4図)と
狙いを中央に変えました。これは不思議に思うかもしれませんが、37手目の▲8五飛
(第3図)が矢倉崩しに対抗する手段です。

矢倉崩しを狙うのは、中段飛車の横利きを活かした△3五歩があり、なかなかうまく
いかないのです。この辺りの攻防については、『向い飛車対三間 11 矢倉対穴熊 
矢倉崩しへのB面攻撃』
で解説していますので、ご覧ください。

CapD20120902_4.png

第4図から、5筋を攻めるのも大変に見えますが、中段の飛車に圧力をかけながらの
攻めを視野に入れていたと思います。

永瀬五段は、▲7三金左(第5図)と上がり、飛車にプレッシャーをかけていきます。
金銀を繰り出して盛り上がっていきました。こういう指し方は、自玉が薄くなるので、
力戦に自信がなければ指せないでしょう。

中盤戦は、後手ペースで進行したように思いますが、終盤、銀一枚の穴熊に、▲7
一銀
(第7図)とかけられました。

この局面はソフトで検討すると後手優勢と出ます。しかし、実際には後手が容易でな
い形勢になっているのではないかと思います。結果は、残念ながら永瀬五段が負けて
しまいました。

CapD20120902_5.png




増田-横山戦(2012.8.28)

相振りの場合は、相手の囲いを見て自分の囲いを決めることがあるのですが、この対
局でも、後手が一目散に穴熊に囲いました。先手は、西川-永瀬戦と同じく高美濃
から矢倉に組み換えています。本局は後手が浮き飛車に構えました。(第9図)

CapD20120902_6.png

第10図では矢倉から盛り上がられそうで、後手が忙しくも見えますが、糸谷六段は、
「どちらかといえば、後手を持って指してみたい」との感想のようでした。穴熊が堅い、
攻め駒の配置がしっかりしている、自陣が攻められる心配があまりない、などが理由
です。

後手が角道を通したまま&△5四歩型にしているのは、6五歩・6六角・7七桂の理
想形を警戒している意味があると思います。

中盤では、先手が端攻め(第11図)をして、優勢に進めていました。しかし、結果は
262手の激戦の末に横山五段が勝利しています。

CapD20120902_7.png




中村女流-戸辺戦(2011.7)

向い飛車対三間穴熊の戦形では、戸辺流が有名ですが、中村女流-戸辺戦では、穴
熊からの菅井流が見られました。先に△4五歩を交換して(第12図)、持ち歩を増やして
から△6五歩(第13図)と仕掛けています。

似た指し方は、森下-豊島戦(2012.4)川上-西尾戦(2012.2)などでも見られます。菅
井流の指し方は変化しており、理解できない所もあるのですが、整理できたらブログに書い
てみたいと考えています。

Cap20120902.png




参考文献及び参考サイト
将棋世界2011年11月号
『相振り飛車を指しこなす本1』 藤井旭著 浅川書房
名人戦棋譜速報のサイト

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2012.09.02 / Top↑
CapD20120418.png

第1図は、前回第4図から▲4八玉と上がったところです。ここで後手の指し方を考
えてみますと、左の銀をどう使うかによって作戦が大きく分かれていきます。具体的
には、次の①~④の指し方が有力だと思います。

①△3三銀~△4四銀 

最近流行している指し方です。△4四銀の形は、先手の理想形である6六角・7七
桂型を牽制しています。▲6五歩と突いてくれば、△6四歩~△5五銀と攻める筋
があります。第2図(永瀬-矢倉戦 2010.6)がその例で、▲6四同歩 △5五銀 
▲3七歩 △6四飛と進みましたが、後手ペースでしょう。

CapD20120418_1.png

②△3三銀~△2四銀~△3五銀(先に△2四歩~△2五歩を突くこともある)

羽生-広瀬戦(2011.7.12)で指された形です。飛車の横利きを通したまま(先手に飛車
先の歩交換をさせない)で好形に組む狙いがあります。

③△5三歩~△5三銀 

橋本-羽生戦(2011.7.6)で指された形です。羽生-広瀬戦と23手目まで同一局面で進
行しましたが、後手は△5五歩と位を取り、△5四銀型の高美濃に組みました。(第5図)

CapD20120418_2.png

④△4四歩~△4三銀 

昔からよく指されている形です。



羽生-広瀬戦(2011.7.12)の続き

第1図から、
△2四歩 ▲9六歩 △2五歩 ▲3八玉 △3三銀 ▲4八金 △2四銀(第6図)

本譜は②になりました。飛車の横利きを通したままで、先手に飛車先の歩交換をさせ
ない指し方です。

△2四銀のところでは、▲6五歩と突かれる手が気になります。しかし、これには△7
七角成り ▲同桂に△3五銀と上がり、▲2三角 △2四飛 ▲4五角成りには、
△4四角(第7図)で大丈夫です。以下、▲6八金(▲7八金) △3三桂 ▲5六
馬で、馬を作られますが、先手十分だと思います。

CapD20120418_3.png

第6図から、
▲5八金上 △3五銀 ▲7五歩 △2四飛(第8図)

△3五銀で後手は好形になり、広瀬七段は作戦勝ちと認識していたようです。しかし、
△2四飛がまずく、「作戦勝ちをフイにしてしまいました。」と自戦解説には書かれてい
ます。普通に△2六歩から歩の交換をするか、△1四歩と端歩を突いておいた方がよ
かったようです。

第8図から、
▲6八角 △1四歩 ▲5六歩(第9図)

次の▲6八角が機敏な一着でした。▲6八角に△2六歩と指すのは、▲同歩 △同
銀に▲5六歩で後手困ります。第9図から△3四飛と戻りましたが、ここでの手損はか
なり大きいのです。

相振り飛車で引き角にして3五の地点を狙う指し方は、本局以後よく見かけるようにな
りました。(対三間飛車に有力で、相三間飛車でも指されています。)

CapD20120418_4.png


飛車先の歩交換をする手筋

第9図から、
△3四飛 ▲7四歩 △同歩 ▲8四歩 △同歩 ▲同飛 
△8三歩 ▲8五飛(第10図)

先手は飛車先の歩交換をしたいのですが、ずっと飛車の横利きが通っているので、▲8
四歩と突けません。ここで、▲7四歩と突き捨ててから▲8四歩がちょっとした手筋です。
▲7四歩は、3五の銀が角で狙われているので、△同飛とは取れないのです。後手
は一歩得になりますが、△7三銀とは上がれない形なので、このままでは傷になる可
能性もあります。

この手筋は第11図のような形でも応用が利きます。飛車先の歩交換ができないままだと
作戦負けになるので、ぜひ覚えておきたい手筋です。

▲8五飛と中段に引いたのは、銀取りに当てて先手を取るためです。第10図は難しい形
勢です。以後の指し手は棋譜をご覧ください。

※将棋世界 2011年9月号 広瀬七段の実戦解説を参考にしています。

CapD20120418_5.png



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2012.04.18 / Top↑
羽生-広瀬戦に見る最新の相振り飛車(向い飛車対三間飛車)

第1図から先手向い飛車対後手三間飛車になる形は、以前ブログで書いた時よりも、
指し方が進化しています。昨年の羽生-広瀬戦(王位戦第1局2011.7.12)が参考
になりますので、その序盤を見ながら注意点を整理してみたいと思います。

初手から、
▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △3二飛(第1図)

3手目に▲6六歩と角道を止めれば、△3二飛と回って相振りにするのが有力とされ
ています。2004年頃には、△3三角から後手が向い飛車にする指し方がよく見られま
したが、最近ではほとんど指されなくなりました。

△3二飛が主流になった理由は、①後手だけ角道が通っている ②後手が先に飛車
先の歩の交換ができる(△3三角戦法では、先手に矢倉に組まれて、飛車先を交換
できない)ことにより、後手が主導権を握りやすいからでしょう。

データ面からもそのことは裏付けられます。第1図の局面を、約5万局の棋譜集で2009
年~2011年の公式戦について調べると、 後手57勝47敗 後手勝率 0.548
(※ただし2011年は後手が18勝17敗と拮抗している)となっており、後手の勝率が高い
です。

CapD20120414.png

第1図から、
▲7七角 △6二玉 ▲7八銀 △3五歩 ▲6七銀 △3六歩(第2図)

第2図のタイミングで△3六歩と突くのは早いようにも感じます。(この対局の6日前に
指された橋本-羽生戦でも同一局面となり、ここで△3六歩と突いています。)なぜ
なら、▲同歩 △同飛に▲3八飛とぶつける手があるからです。

これには△3二飛と引いて一局ですが、先手も望まない展開かもしれません。その順
が気になるなら、先手の飛車が▲8八飛と動いてから△3六歩と突くのがいいでしょう。

後手は、三間飛車+美濃囲い△7一玉型が主流

第2図から、
▲同歩 △同飛 ▲8八飛 △4二銀 ▲8六歩 △7二銀 
▲8五歩 △7一玉(第3図)

このあたりの手順には、お互いのかけ引きを感じます。早く飛車の位置を決めるのは作
戦的に損
なので、後手は3六に飛車を置いたまま玉を囲っています。先手も相手の飛
車の動きを見て囲いを決めたいので、▲3七歩を打たずに駒組を進めています。

後手の陣形は、三間飛車+美濃囲い△7一玉型が主流になっています。対して先手
は、矢倉に組んだら菅井流がある、美濃囲いは端攻めが気になるということで金無双か
▲3八金型が多い
ようです。

CapD20120414_1.png

第3図から、
▲2八銀 △3四飛 ▲3七歩 △5二金左(第4図)

▲2八銀と上がった時に、△3四飛と浮き飛車に構えました。このタイミングで飛車を
引けば、先手は矢倉にしづらいのです。以前は、▲5八金左~▲4六歩~▲4七金
と矢倉を目指し、後手は浮き飛車にしないで第5図のような駒組から矢倉崩しを狙う
のが普通でした。しかし、的確に受けられると攻めきるのは大変でした。

数年前から、第6図の菅井流の仕掛けが登場し、これが有力となりました。この形で
は、8筋の歩を伸ばしているので囲いが間に合わず、菅井流の攻めが強力です。


CapD20120414_2.png

3六飛のまま待機した場合の注意点

△3四飛と引いた手で先に△5二金左とするのは悪手です。 ▲8四歩 △同歩 
▲8五歩の継歩から十字飛車の筋があるからです。

3六飛のままでいた場合には、これはうっかりしやすい筋です。第7図は佐藤-丸山戦
(2011.12)
からですが、なんとA級順戦でこれが出てしまいました。(指し直し局で持
ち時間が少なかったこともあると思います。)

第7図から、
▲8四歩 △同歩 ▲8五歩 △5五銀 ▲8四歩 △8二歩(第8図)

丸山九段は、▲8四歩に△8二歩と謝りましたが、もちろん予定外だったでしょう。
序盤でこの傷は大きすぎます。

CapD20120414_3.png

先手は▲3七歩と打ちました。これは矢倉にしないで金無双にするということです。第
4図から後手は、左の銀をどう使うかで作戦が大きく分かれます。

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2012.04.14 / Top↑
第1図は、向い飛車対三間飛車の戦形で、先手が矢倉、後手は穴熊に組んだところ
です。

後手は、3筋は攻めにくいので4筋に飛車を動かしました。


CapD20101120.png


藤井九段の「相振り飛車を指しこなす本1」には、第2図と似ていますが、第3図が
載っており、お互いに手を出しづらい形と説明されています。

例えば、第3図から▲6五歩は△4五歩で後手有利となります。▲2八玉と囲うのは、
後手に△2四角~△3三桂の矢倉崩しに組まれます。前章のように矢倉崩しを受ける
陣形を組んでも、後手は穴熊の堅陣なので、受けきれるかは微妙なのです。


ここでは、先手が後手に矢倉崩しの構えを作らせないようにしながらのB面攻撃
をs八段の実戦から紹介したいと思います。


CapD20101120_1.png

第2図から、

▲8四歩  △同歩  ▲8五飛 (第4図)

飛車先を交換して1歩を手にし、8五の位置に構えるのがポイントです。

この▲8五飛は、鈴木八段の「相振り飛車の定跡」にも、先手矢倉・後手金無双の
形で載っており、矢倉崩しに対する時の限定戦法と説明されています。

先手の狙いは、▲3五歩です。それを防いで△2四角と上がりますが、それでも
▲3五歩がありました。(第5図)


CapD20101120_2.png

第5図から、

△同角 ▲3六銀 △2四角 ▲3五歩 △4三銀 ▲2五銀 (第6図)

最初の▲3五歩に対して、△4三銀と引くのは、▲3六銀で先手が良いでしょう。
2度目の▲3五歩には銀が下がるしかありません。


△3三角 ▲3四銀 △同銀 ▲同歩 △2四角 ▲2五銀 △4五歩 (第7図)

△3三角に、▲3四銀と先手の攻めが続きます。△2四角のところで、△2二角には
▲2五飛と回る手があります。▲2五銀に、△4五歩と勝負してきました。


以下、▲同銀に△6七銀と打ち込み、まだまだ難しい形勢だと思いますが、実戦では
s八段のB面攻撃と受け潰しが決まり、127手にて後手投了となりました。


CapD20101120_3.png



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2010.11.20 / Top↑
CapD20101116.png

前回は、第1図から後手が△4五歩と攻める手を考えてみましたが、うまくいきませ
んでした。今回は、△3三角と上がり(第2図)矢倉崩しの理想形を組んで攻める手
を検討してみます。


CapD20101116_1.png

第2図から、
▲2八玉 △2四角 ▲6五歩 △3三桂 ▲6六角 (第3図)

第3図の後手陣の構えが矢倉崩しの形です。石田流本組と同様に、飛車・角・銀・
桂の攻めの理想形です。


これに対して先手は飛車先の歩を伸ばさずに、6六に角を持ってきました。これは、
矢倉崩しに備えた形で、このように組まれると△4五歩の仕掛けはうまくいかないの
です。


CapD20101116_2.png

第3図から、△4五歩 ▲同歩(第4図)に、

①△同桂は、▲4六銀 (第5図)で攻めが続きません。この時、角が6六にいなけ
 れば、△4六角~△5七桂成りと攻め込めるのですが、先手の角がうまく守りに利
 いているのです。

②△同銀には、▲4六歩と打たれ、△5六銀 ▲同歩に、△4五歩と攻めでも▲3五
 歩(第6図)の受けがあり後手が困ります。


CapD20101116_3.png

よって後手は第3図から攻めずに、△4一飛などで手待ちしながら攻めの機会を伺う
ことになります。

※参考棋譜




藤井九段の「相振り飛車を指しこなす本1」には、後手が矢倉崩しに組み上げた第8
図から、先手の正解手は、△2五桂を防ぐ▲2六歩と書かれています。

以下、後手からの攻めは難しく、

▲2六歩  △8二玉  ▲8六歩  △7二銀 
▲8五歩  △5四歩  ▲6六角 (第9図)

の進行が解説されています。

CapD20101116_4.png

※参考棋譜



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2010.11.16 / Top↑

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