第1図は、戸辺-青野戦(2011.12.9)から、石田流対棒金の戦形です。戸辺六段が面
白い捌きを見せたので紹介します。後手は、△4四歩と角道を止めましたが、これは△7
四歩 ▲同歩 △同金に、▲6五歩の決戦を避けたものです。
第1図から、
▲5六銀 △5四銀 ▲4六歩 △8四金 ▲9六歩 △7二飛(第2図)
▲5六銀、△5四銀と互いに腰掛銀にして、後手は△7二飛と寄りました。5四銀型
なので袖飛車にしないと△7四歩と突けません。
第2図から、
▲6五歩 △同歩 ▲4五歩(第3図)
ここまでは、『石田流対棒金 10』で取り上げた鈴木大-中座戦(1999.11)に似て
います。戸辺六段は、△7四歩が来る前に、▲6五歩~▲4五歩と仕掛けました。
これは、相振り飛車での菅井流の仕掛けに似ています。▲6五歩に△同歩と取らずに
△7四歩なら、▲同歩 △同金 ▲8八角でしょうか。
第3図から、
△7四歩 ▲4四角 △7五歩 ▲7八飛 △3三桂(第4図)
▲4五歩を△同歩なら、▲2二角成り △同玉 ▲4五銀 △同銀に、▲6三角で後
手がしびれます。△7四歩の反発は当然で、第4図までは順当でしょう。△3三桂は
形が悪いですが、△同角では▲同歩で急所に歩が残ります。
後手としては、6~8筋を制圧しているので、このまま局面を収めてしまいたいとこ
ろです。逆に先手は、早く攻めなければなりません。
第4図から▲5五銀に△4三歩なら、▲5四銀と勝負する手がありそうですが、△6
三銀と引かれたら継続手がありません。
第4図から、
▲9八香 △7四金 ▲3六歩 △6四金 ▲3五歩 △4三歩
▲8八角 △3五歩(第5図)
なので、▲9八香(▲8八角と引いた時に、△8六歩 ▲同歩 △8七歩で角のライ
ンが消えないようにする。)の後、▲3六歩~▲3五歩と桂頭を攻めに出ました。第
5図の形勢はいい勝負だと思います。
少し進んで、第6図。ここで▲8三桂が決め手になりました。コンピュータ将棋が指
しそうな手で、人間の有段者ならためらいそうな手ですが、後手に有効な手がないの
を見越しています。
以下、△9二香 ▲9一桂成り △7六歩に▲8三角と打ち、香・桂を取った先手が
優勢に進めて勝利しました。
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白い捌きを見せたので紹介します。後手は、△4四歩と角道を止めましたが、これは△7
四歩 ▲同歩 △同金に、▲6五歩の決戦を避けたものです。
第1図から、
▲5六銀 △5四銀 ▲4六歩 △8四金 ▲9六歩 △7二飛(第2図)
▲5六銀、△5四銀と互いに腰掛銀にして、後手は△7二飛と寄りました。5四銀型
なので袖飛車にしないと△7四歩と突けません。
第2図から、
▲6五歩 △同歩 ▲4五歩(第3図)
ここまでは、『石田流対棒金 10』で取り上げた鈴木大-中座戦(1999.11)に似て
います。戸辺六段は、△7四歩が来る前に、▲6五歩~▲4五歩と仕掛けました。
これは、相振り飛車での菅井流の仕掛けに似ています。▲6五歩に△同歩と取らずに
△7四歩なら、▲同歩 △同金 ▲8八角でしょうか。
第3図から、
△7四歩 ▲4四角 △7五歩 ▲7八飛 △3三桂(第4図)
▲4五歩を△同歩なら、▲2二角成り △同玉 ▲4五銀 △同銀に、▲6三角で後
手がしびれます。△7四歩の反発は当然で、第4図までは順当でしょう。△3三桂は
形が悪いですが、△同角では▲同歩で急所に歩が残ります。
後手としては、6~8筋を制圧しているので、このまま局面を収めてしまいたいとこ
ろです。逆に先手は、早く攻めなければなりません。
第4図から▲5五銀に△4三歩なら、▲5四銀と勝負する手がありそうですが、△6
三銀と引かれたら継続手がありません。
第4図から、
▲9八香 △7四金 ▲3六歩 △6四金 ▲3五歩 △4三歩
▲8八角 △3五歩(第5図)
なので、▲9八香(▲8八角と引いた時に、△8六歩 ▲同歩 △8七歩で角のライ
ンが消えないようにする。)の後、▲3六歩~▲3五歩と桂頭を攻めに出ました。第
5図の形勢はいい勝負だと思います。
少し進んで、第6図。ここで▲8三桂が決め手になりました。コンピュータ将棋が指
しそうな手で、人間の有段者ならためらいそうな手ですが、後手に有効な手がないの
を見越しています。
以下、△9二香 ▲9一桂成り △7六歩に▲8三角と打ち、香・桂を取った先手が
優勢に進めて勝利しました。
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2012.01.21 / Top↑
石田流の棒金に対する対策は、いろいろ取り上げて来ましたが、▲6八銀を先に上
がる最新の石田流に対して、棒金で来た場合の指し方を紹介します。
この形では、第1図のように6七銀・7七角型にして受けるのがよいと思います。
角が浮いているので、後手が△8三金と棒金の意思表示をした時に、▲7七角と上
がります。▲7七桂と桂馬を跳ねるのは、角が捌きにくくなり、棒金に潰されやす
くなります。
まず、第1図から、△7四歩と攻める手を考えてみます。▲同歩は、△同金と手順
に金を動かしてしまうので、▲6五歩から捌きに出ます。(第2図)
△7七角成り ▲同桂 △7五歩 ▲同飛(第3図)
▲同飛には△7四金と出たいところですが、▲6四歩の勝負手で先手が戦えます。
△7四銀 ▲7六飛 △8八角 ▲5五角(第4図)
△8八角には、5五に攻防の角を打つのが気持ちのいい手です。
第4図以下、△7五歩 ▲5六飛 △3三桂 ▲6四歩が一例ですが、玉の堅い先
手が指せそうです。
第1図からすぐに仕掛けるのは無理そうなので、△5四歩と▲5五角の筋を消し、
また△3三銀(第5図)と▲6五歩からの角交換を防いでおいてから、△7四歩と
攻める手を考えてみます。
第5図から、
▲5六銀 △7四歩 ▲6五歩(第6図)
△7四歩には、上と同じように▲6五歩と反撃します。
以下、△7五歩 ▲同飛 △7四金(第7図)と押さえ込まれて、先手が苦しそう
ですが、やはり、ここで▲6四歩の勝負手があります。この手はぜひ覚えておきた
いです。
この歩は取れないので、
△7五金 ▲6三歩成り(第8図)
となります。△7五金でなく△7五銀なら、▲7六飛 △7五歩 ▲6六飛と指し
て、居飛車の駒の働きが悪いので、先手十分です。
第8図は、飛車と銀の交換になっていますが、と金が残り、玉形の差がひどいの
で、先手が勝ちやすいと思います。(△5四歩が突いてない形なら▲5五角があ
るので、はっきり先手がいいでしょう。)
参考棋譜
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がる最新の石田流に対して、棒金で来た場合の指し方を紹介します。
この形では、第1図のように6七銀・7七角型にして受けるのがよいと思います。
角が浮いているので、後手が△8三金と棒金の意思表示をした時に、▲7七角と上
がります。▲7七桂と桂馬を跳ねるのは、角が捌きにくくなり、棒金に潰されやす
くなります。
まず、第1図から、△7四歩と攻める手を考えてみます。▲同歩は、△同金と手順
に金を動かしてしまうので、▲6五歩から捌きに出ます。(第2図)
△7七角成り ▲同桂 △7五歩 ▲同飛(第3図)
▲同飛には△7四金と出たいところですが、▲6四歩の勝負手で先手が戦えます。
△7四銀 ▲7六飛 △8八角 ▲5五角(第4図)
△8八角には、5五に攻防の角を打つのが気持ちのいい手です。
第4図以下、△7五歩 ▲5六飛 △3三桂 ▲6四歩が一例ですが、玉の堅い先
手が指せそうです。
第1図からすぐに仕掛けるのは無理そうなので、△5四歩と▲5五角の筋を消し、
また△3三銀(第5図)と▲6五歩からの角交換を防いでおいてから、△7四歩と
攻める手を考えてみます。
第5図から、
▲5六銀 △7四歩 ▲6五歩(第6図)
△7四歩には、上と同じように▲6五歩と反撃します。
以下、△7五歩 ▲同飛 △7四金(第7図)と押さえ込まれて、先手が苦しそう
ですが、やはり、ここで▲6四歩の勝負手があります。この手はぜひ覚えておきた
いです。
この歩は取れないので、
△7五金 ▲6三歩成り(第8図)
となります。△7五金でなく△7五銀なら、▲7六飛 △7五歩 ▲6六飛と指し
て、居飛車の駒の働きが悪いので、先手十分です。
第8図は、飛車と銀の交換になっていますが、と金が残り、玉形の差がひどいの
で、先手が勝ちやすいと思います。(△5四歩が突いてない形なら▲5五角があ
るので、はっきり先手がいいでしょう。)
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2011.04.09 / Top↑